Quantcast
Channel: 美容外科開業医の独り言
Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

美容医療機器の経年劣化

$
0
0

よく、古いレーザー機器は出力が落ちて効果が薄くなるというのは本当かと聞かれます。
この話、本当のようで間違っています。
レーザーのような光学製品は、古くなるとレーザーヘッドという部分の性能が落ちていきますので、パワーは出にくくなります。しかしながらキャリブレーションといって、機器の表示する出力通り出ているかどうかを確かめている機能がついており、機器立ち上げの際に毎回それをチェックする製品も多いものです。つまりパワーが出なくなってきても、エンジンを強く動かして表示パワーを出すように機器が調整しているるので、結局照射エネルギーは変わらず効果も変わりません。その上、メンテナンスをきちんとしているクリニックであれば定期的に保守点検をして、必要とあればレーザーヘッド(エンジン)そのものを交換します。
フォトといわれる機械も同様です。ただ、安価なタイプの多くはキャリブレーション機能は付いていません。しかし殆どの機器ではハンドピース(照射部分)の照射可能発数制限がありますので、時期が来たら取り替えます。そしてこのハンドピース部分に出力に関する機能がほぼ集約されていますから、完全ではありませんが、ここを交換すれば出力の大半は回復します。


つまりキャリブレーション機能があれば、古くなったらパワーダウンということは回避できますので、通われているクリニックの機器が古いから効果がない、近くにできた新しいクリニックにかかった方が良いと判断するのは早計です。
優れた光学系の機器は、古くなっても十分なエネルギーを発振できます。

ただ、あまりに機器が古くなると各種部品のへたり等も生じてきて、パルス形状にブレが生じたり、安定した出力を出せなくなることもありますので、そのあたりは限度があるでしょう。機種にもよりますが7~15年がメドになるのではないかと思います。
車と同じですね。ベンツみたいな機器は長持ちしますし、古くなるほど安定することもあります。二流の機器は、古くなると??です。

もちろんレーザーメーカーさんとの保守契約を結べば不具合はほぼ修理してもらえるので、その場合、気がつけば主要駆動部品は全て交換済みということもあります。これなら外見は古くても中身は古くないのです。

キャリブレーション機能がついていない機種では、パワーが落ちているのを知らずに医療側が使用していたなんてこともあり、患者サイドで効きが悪いと感じたためにそのような疑問が生じているのでしょう。

ただ、これも車と同じく、最新型を使用すると様々な機能向上が図られており、スタンダードな機器であっても私は買い替えるようにしています。目新しいものだけを買い足していくのではなく、スタンダードな機器を用いた標準的治療に対してもより良い結果を求めていくことが重要です。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>