週末は皮膚形成外科領域では最大手のレーザーメーカーであるシネロンキャンデラ社のユーザーズミーティングでした。
今回は入れ墨治療のパネリストと、様々な疾患に対する治療法についての討論の座長を務めさせて頂きました。
入れ墨のレーザー治療は回数もかかりますし、色によっては取れにくいもの、変色するものもあり、傷跡の問題などなかなか難しいのですが、様々な問題点に関して討論をしました。
現在はQスイッチレーザーというのが治療法の第一選択ですが、新しくピコ秒レーザーと言って、非常に短い時間だけ発振されるレーザーを用い、入れ墨の色素を粉砕、早期に結果を出していくという機器が登場しました。Qスイッチレーザーでさえナノ秒という単位として非常に短い発振時間ですが、さらにもう一つ小さな単位のピコ秒!です。以前にもブログで書かせて頂きましたが、私はサイノシュア社製のピコ秒レーザーを1ヶ月間試用させて頂いた経験があり、このタイプの機器が今後世界的には入れ墨治療では主役となっていく可能性を感じています。
ただ、日本という国では入れ墨はファッションとして入れる人は多くありません。欧米のようにセレブでも入れ墨を入れているような国ではなく、ごく少数の若い人達が小さくポイントで入れることが殆どです。ピコ秒レーザーは各社とも非常に高額(マンションが買える?)であり、治療費もそれなりになってしまいます。若い人達が高額治療費を捻出して継続して治療を受けるということが難しい、そのような側面もあります。この機器が普及するかどうかは、入れ墨以外の適応で例えばアンチエイジング系などにどれだけ素晴らしい結果が出せるかにかかっているでしょう。この点はまだまだ検討する必要があります。
もう一つのセッション、様々な疾患に対する治療法の討論では、4名のドクター達が理路整然とどのような機器をどう用いるのか解説をして下さいました。東海大学形成外科准教授の河野太郎先生、赤坂クリニックの吉家弘先生、元町形成外科の橋田直久先生、咲くらクリニックの小林直隆先生という素晴らしいメンバーでした。
旧知の間柄のドクターばかりでしたので、座長として話をまとめるのは非常に楽で、私は座長というより聴衆として色々な事をお勉強しながら質問させて頂きました。
他にも関西におけるレーザー治療の第一人者である葛西健一郎先生のVビーム(赤あざ用レーザー)についての御講演、いわきクリニックの岩城佳津美先生とスタッフによる脱毛レーザーのセッションなど、勉強になる話しが沢山。
さて、ユーザーズミーティングの前日はシネロンキャンデラ社の会社名変更と会社移転の内覧パーティでした。世界最高峰の技術を持つキャンデラ社がシネロン社と合併してできたシネロンキャンデラ社ですが、日本では従来からキャンデラ社が法人を設立しており、シネロン社は代理店を通じての販売網であったため、社名はキャンデラ社のままだったのですが、いよいよ満を持してシネロンキャンデラ社となりました。
銀座の一等地にあるビルへの移転!
キャンデラ社はお堅い会社で以前のオフィスはそんな雰囲気を醸し出していましたが、シネロン社の華やかさが加味されてお洒落な会社になったかな??
しかしながら厚生労働省承認機も多数販売しており、大学病院などが納入先として多い会社です。やはり業務としては「お堅く」もあり、私も公的病院勤務時からの長いお付き合いです。そこへ美容フィールドのカラーが加わり、ますます発展していくのか、期待されます。
世界最大の皮膚形成外科領域レーザー会社ですから、お祝いの宴会には、数十名規模で業界第一人者のドクターが招待されていました。最近の若い先生は別ですが、古くから皮膚科や形成外科の専門性を持ってレーザー治療にあたっているドクターはほぼ全員がこの会社のユーザーです。我が国においてはキャンデラ社製品を所有しているかどうかでどれだけ専門的なレーザー治療をおこなっているかが判ると言われるほどです。ビジネスカラーが強く、非専門医による治療が華やかな光を浴びてしまっている我々の業界の中で、この会社のたどってきた道というのは素晴らしく、前社長の信念によるものです。これからもその真面目さを維持して頂きたいと切に願います。
多くの教授や高名な開業医の先生方と楽しく美容医療について語り合いました。
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レーザー機器最大手シネロンキャンデラ社のセミナー
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