Quantcast
Channel: 美容外科開業医の独り言
Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

ビックリ!日本ドラッグデリバリーシステム(DDS)学会での講演

$
0
0
昨日は午前中診療を休診とさせて頂きました。
その時間帯は日本DDS学会に参加してきました。DDSとはドラッグデリバリーシステム、つまり如何に薬剤を効率良く皮膚や粘膜などを通して浸透させるかという学会です。薬品や化粧品等のナノ化やミセルの技術、注射針を使わないインシュリン投与などを研究している学会というと分かりやすいでしょうか。
薬学部や工学部、企業などを主体とした研究者の学会です。

DDS

その学会のワークショップというセッションで講演を依頼されました。美容医療における経皮ドラッグデリバリーについて話してほしいということでした。

プログラム

オーガナイザーは城西大学薬学部の杉林堅次先生、千葉大学大学院薬学研究院の森部久仁一先生で、私以外の講演者は皆さん基礎の研究者。。。。

当院で実際に用いている各種ドラッグデリバリー機器(エレクトロポレ-ションのメソアクティス、プラズマ&超音波のレガート、水圧導入のアフィニティ、水光注射ダーマシャイン)について解説し、美容医療では実際に何をしているのか、怪しい話しも含めて発表しました。実は皮膚からのドラッグデリバリーに関しては美容医療というのはかなり様々な手段を持っています。結構興味を持って頂けたようで、というより見たこともない異質の世界だったのか、終わった後も色々な方々から質問を受けました。杉林先生からもお褒めに預かり、好評で良かったです。一安心。

このお話を頂いた時は正直ビックリして、そんな基礎の学会に私のような開業医、それも美容関係の人間がノコノコと参加して講演などしても良いのだろうか。。。。と思っていました。しかし今回は、研究者が実は知らない実際の医療現場のことについて美容医療の立場から話してほしい、それが重要なんですと言われ、自分なりに少し基礎系の先生方にも分かって頂けるように内容を考えて発表させて頂きました。医師向けの講演のように臨床結果を述べればよいものではないですし、研究者相手に基礎理論を喋るのも釈迦に説法ですし、それらをバランス良く話が出来る唯一の美容外科医ということで白羽の矢が立ったようです。嬉しいことです。

私自身は研究者ではないですし、あくまで実際の診療で患者様がいかに満足するかのみを考えています。臨床医と研究医は異なります。特に美容の領域ではそれが顕著です。

私はもちろん理論好きですが、頭でっかちの理論派・研究者になりたいのではなく、臨床の結果をより良くするために理論を追求しています。治療をする上で理論を熟知し、その理論を基に「最適な解」とは何かを常に考える美容医療の仕事が大好きです。一般の医療と異なり、解を求める上で変数として機器の理論と設定、各種薬剤の材質特性や注入などの技術、解剖の知識、それに加えて患者様の希望・主体性というファクターが大きく関与する美容医療は純粋に面白い学問です。
臨床医として日々何十人もの患者様を診察治療して、その経験を積み上げていくことでより良い治療が出来る、考えながらかつ沢山の症例を経験してこそ腕を上げられるのです。

ただ、美容医療の理論というのは、情報収集するのが難しく、良い教科書もありません。日々アップデートしていきます。そのために僭越ながら成書を執筆、刊行させて頂き、かつ医師向けセミナーで沢山講演させて頂いています。それで業界がより良くなることは、回り回って自分自身のためにもなると信じています。
変なメディアに変な医師やライターによって書かれた誤った知識で治療をする若い先生方もいると聞きます。良い機械だとメディアで取り上げられたら、そんなことに釣られて機器を購入する医師もいます。そうならないために少しでも業界の役に立てたら良いなと思っています。

ただ、最近周囲からは、講演するだけじゃビジネスにならない、もう少し色々考えないと、ただの人の良いオッサンだと指摘されています。。。。
業者・メディアも含めて、もっとコンサバな心の広い人間になろうかな。





イチからはじめる美容医療機器の理論と実践/全日本病院出版会

¥6,480
Amazon.co.jp


Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>