昨日は東京マラソンに出場、完走しました。ネットタイムで4時間切り。ちょっと嬉しくて昨夜は飲み過ぎました。
年に1~2回しかマラソンには参加しませんが、走るからには準備もしなくてはいけませんし、ぶっつけ本番が不可能なのがマラソンの面白いところです。そしてトップランナーと競うわけでもなく、練習の理論を理解して、日々の積み重ねの上で自分の中の目標を達成する醍醐味がまた好きな理由です。
美容医療を考えてみると、医師は治療の理論を勉強して身につけ、コツコツと症例をこなしていく、治療経験を積んでいくことで最良の結果を得られるようになる、同じようなものかもしれません。
ただ単に理論だけ知っていても、日々の診療で症例をこなしていなければ良い結果が得られませんし、逆に理論もなく漫然と治療をしていても良くありません。そして、誰かと技術や知識を競うのではなく、目の前の患者様が満足してもらえるような治療をしていくことが全てです。学会で有名だからとか、機器の理論に詳しいからとか、そんなことよりも、良い治療が出来るかどうかの方がよほど重要です。私も含め、学会等で活動している医師であっても、それは全く同じなのです。
ただ、機器に関しては、クリニックに導入していないと、持っていないと、何も始まらない、何も言えないのですが、それさえも本当に特殊な機器なのか、他の機器と比較し本当に優れているのか、その点は一般の方には判断が難しいところでしょう。
さて、そんな中で、
持っていないと何もできないものの代表として、部分痩身の機器があります。
これだけは、もうどうしようもありません。
ダイエットではなく、局部の皮下脂肪を減少させる機器、ボディラインを整える機器です。切らない脂肪吸引と称されることもあります。
当院では第一選択としてゼルティック社のクールスカルプティングを用いています。脂肪と水の凍結温度差を利用して脂肪のみを凍らせる機器で、直後に皮下脂肪がシャーベットのようになっていることで、その原理は体感できます。ただ、この機械は取り付けられる部分に制限があります。それゆえ、アクセントウルトラという脂肪の代謝を上げつつ少しだけ細胞自体に傷をつける機器(高周波&超音波剪断波)をその他の部位には用います。特に顔には良い適応で、顔用のハンドピースを用いた「Vシェイプ」は当院でも人気治療の一つです。ただ、顔以外ではクールスカルプティングに比較して強制的に脂肪を破壊するには物足りない面もありました。
そこで、世界的なレーザーの大手メーカーから脂肪を破壊するレーザー光機器が登場するということで、早速導入をしました。現在日本では2台のみ稼働です。但し、アジア人のデータがまだないとのことで、条件として患者写真のデータを収集することがメーカーから義務づけられており、近日中にモニター募集を開始します。無償ではなく、少し費用を頂いて治療となります。
近年、脂肪を破壊する機器が幾つか登場していますが、世界的なシェアはクールスカルプティングの一人勝ちです。宣伝などベースにした知名度は少し違うかもしれませんが、これは紛れもない事実、シェアの半分以上と言われています。
ただ、冷却することに対してその逆に熱くすることでも脂肪を破壊できます。ただ、高周波などを用いると、その熱作用は緩徐であり、また過度に加熱すると熱コントロールが難しいためやけどを生じたりと、様々な理由から流行ってはいません。この数年間、高周波系では世界的なヒット製品が出なかったのです。
一方レーザーはその深達度、深さに難があるとされていました。しかし、光のうち赤外線などは「身体の中まで温める」作用がありますし、瞬間的ではなく長時間の暴露によって十分その可能性があります。当て続ければ熱くなるのです。今回導入した機器は25分間の照射時間です。今までのレーザーがカメラのシャッタースピード何千分の一秒と同じとすると、この機器はバルブモード、つまり夜空の星を撮る時のように長時間光を当てます。全く違う作用が生じます。
スタッフ、私が取り扱いに慣れたら治療を開始しますので、ご期待下さい。腹部や腰部、太もも、二の腕などに照射可能です。
以前ブログで書いたプラズマでまぶたの皮膚を縮めてたるみを減少させる機器治療ももうすぐ開始します。モニターと一般診療での治療と平行しておこなうつもりです。これも近日中に。
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脂肪減量治療
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