Quantcast
Channel: 美容外科開業医の独り言
Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

ピコ秒レーザーのアジアでの将来性

$
0
0

週末は、ヒアルロン酸注入の実技セミナー講演と、新しい機器ピコ秒レーザーのアジアにおける出力など設定を決めるためのミーティング。最近は注入系と機器系の両方で学術的な仕事が多く、なかなか休みが取れませんが、業界の発展が長期的には自分自身のためでもあるので、しばらくは突っ走ろうと思います。

ピコ秒レーザーは、欧米では入れ墨治療として優れた効果を発揮していますが、アジア人にとって主たる目的は、シミやシワなど皮膚表在性のものに対する治療です。しかし、このあたりはまだまだデータが蓄積されていません。韓国と日本で機器が先行して導入されているので、日韓のドクター数名が集まり、自分の症例を提示しながら最適な出力設定は何か、そして機器が将来的にどう発展していくべきなのか、改良点なども含めて討論しました。
picomeeting2

picomeeting

半日も頭が英語脳になり、ちょっと疲れました。


ピコ秒レーザーは、アジア人にとって、シミ取り治療の革新的なものになる可能性があります。実際にシミの治療において、結果は従来のQスイッチレーザーより良好で、こんなに薄いシミが取れるのかと当初は驚きました。術後の色戻りの確率も減少しています。

でもそれだけではありません。

私は後発のキャンデラ社の機器picowayを用いていますが、先行しているサイノシュア社のpicosureを使用しているご高名なドクターの話では、フォト系(IPL、フォトフェイシャル)の治療が要らなくなる時代が来るかもしれないという衝撃の発言も。。。。
肌全体を明るくする効果が期待されます。もうすぐそれにより適応した装置がpicowayにも装着されるので、非常に楽しみにしています。
実際、討論した韓国のドクターは、現在の装置でもノーダウンタイム治療を実践していて、全てトーニング(いわゆるレーザートーニングとは一線を画すようです)様に照射をして効果を得ているとか。
ピコ秒レーザーは入れ墨の治療を主に開発された機器ではありましたが、今の機器開発の流れを見ると、徐々にシミ・あざ系の治療に移行していくのかもしれません。さらにフォト系治療の置き換えとしての位置づけも加わると、メラニン系はこれ一台でカバーできるようになるかも。。。。

またシミへの効果だけではありません。ピコ秒レーザーをフラクショナル状に発振することで、強力な機械的破壊作用によって真皮のみを壊す力があります。実際に照射後は微小点状出血が数日生じたりしますが、皮膚表面は傷がつきません。これは今まで経験したことがないような現象です。この効果についてはまだ確証が得られていませんが、海外のデータでは皮膚が再構築されシワが改善しています。

熱を発生させず、非常に短い時間での照射であるがゆえに起こる様々な現象、もっと勉強していかなければなりません。

たるみや部分痩身の治療機器で最新のものは多数登場しており、私も様々な機器を追い求めています。しかしもう一方で、我が国の美容医療にニーズが最も高いのはシミの治療です。そしてほくろ、脱毛。
どれが足りなくても美容医療としては不十分ですし、特に広いニーズがあるという意味ではシミやほくろ治療などが重要です。それを高いレベル、最新のレベルで治療して、その上で次なるものにも踏み込んでいく、そんな時代に、ピコ秒レーザーは登場してきた、これはどういう意味があるのかじっくり検討していこうと思います。


Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>