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Channel: 美容外科開業医の独り言
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高周波サブシジョン機器スムースライナー

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週末はまた美容医療機器のセミナーで講演でした。

高周波カニューラサブシジョン機器「スムースライナー」についてお話をしてきました。

 

スムースライナーは先端がハート型になった鈍針(カニューラ)で、先端のみに高周波が流れます。

ニキビ痕、傷跡などのうち、皮膚表面ではなく内部で癒着して凹んでいる痕に対してこの機器を用いて治療をします。

高周波の針を皮膚の下に差し込んで、ハート型の先端部を用いて癒着を切っていきます。

 

 

この治療をsubcisionサブシジョンと言いますが、従来は普通の針で引っかけるように盲目的に切っていったため、効果は不確実でかつかなり出血をしました。スムースライナーは安定して癒着をカットできますし、出血もかなり抑えられます。複数部位の剥離も容易です。

その上で、剥離部が再度癒着しないよう、ヒアルロン酸をカニューラ針を通じて治療部に注入・補填します。時間が経ってヒアルロン酸が吸収されても、剥離部の治癒が既に終わっており、再癒着することは少なくなります。

残念ながら皮膚表面そのもののくぼみには無効です。あくまで下方への癒着で引っ張られて凹んでいるものに対して有効な機器です。しかしニキビ痕の治療で様々な表面からのレーザー等を実施しても最後に残されるくぼみに、スムースライナーは有効なことが多い印象です。

同じような作用で、シワにも有効です。首の横皺や額の表情ジワにも用います(皮膚を引っ張ってもくっきりと残ってしまうシワには無効です)。これらの部位のシワはそもそも治療効果を得ることが難しいですから、非常に有益です。

 

さて、自分自身の講演の後、数名の先生方が講演したのですが、どれもが勉強になる話しばかり。特に再生医療においてこれから重要なポジションを得るかもしれないペプチド関連の講演は非常に興味深く拝聴しました。

 

懇親会では韓国製HIFUの講演をされたJiehoon Kim先生と四方山話を。以前に私の講演を何度か聴いたことがあるとの事、有り難い限りです。これからもアジアで地味に活動をしていきたいと思います。

 

そして夕方からセミナーのハシゴ。レーザーの第一人者である久保田潤一郎先生の講演を拝聴しました。久保田先生の機器に対する理論、長年の経験に基づく作用機序の推察などは非常に興味深く、かつ勉強になりました。

またメーカー側も今後は学術的にしっかりとした体制を築いていくとのこと、本社の責任者も交えて様々なお話をしました。

 

 

 

 

 

 

 


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