先週末はレーザー会社のセミナー講演。2週続けての大阪でした。相変わらずバタバタと過ごしています。
今回の講演はキュテラ社のピコ秒レーザーenLIGHTenの新波長(670 nm)の有効性について、少し前に募集した学術モニター試験のデータを踏まえてお話しをさせて頂きました。
座長は近大奈良病院の山田秀和先生、演者は他に真弓愛メディカル美容皮膚科・皮膚科の真弓愛先生、札幌中央クリニックの岡橋怜先生。
岡橋先生は私の大学の17年後輩。何だか嬉しく思いつつ講演を拝聴しました。
さて、
ピコ秒レーザーは入れ墨除去には絶対的な効果が証明され、私自身は手術で切り取ることは殆どなくなりました。手術後の傷・瘢痕が治まるまでの期間よりもレーザーを照射・終了する期間の方が短くなり、結果も綺麗になりました。
ただピコ秒レーザーでも、多彩な色調全てに対応ができずカラータトゥーは難しいと考えられていましたが、各社様々な波長(色で言うところの補色関係の光)を出せるようになり、この問題も解決されました。深く彫られたタトゥーでもきちんと反応します。もはや手術をする意味が殆どありません。
唯一、入れ墨を入れる時に皮膚が盛り上がって(かなり濃い色)、傷跡が生じていると予期されるような場合に、色は抜けても傷跡までは消せませんから、少し輪郭が追えてしまう場合、そのあとにフラクショナルレーザー等が必要になることがあるというくらいです。
Qスイッチレーザーのみでの入れ墨治療は、時代遅れで、患者様の苦痛を強いるだけです。回数も2〜4倍かかりますし、取れない濃さ、色もあります。厳しい言い方をすれば、Qスイッチレーザーのみで入れ墨治療はするべきではない時代です(専門的には初回などに用いる意義はあります)。
そして薄いシミもピコ秒レーザーは効果的です。これに関してはQスイッチレーザー(ルビーやアレキサンドライト)の出番も多々あり、良い点もあるので使い分けが大事です。
一方、シミなどに対する顔全体の治療は,トーニングという手法を除けば、レーザーフェイシャルやIPL・フォトフェイシャル,ジェネシスに比べてピコ秒レーザーは劣る部分もありました。サイノシュア社のピコシュアーによるピコチューニングという手法が全顔治療できる方法ですが、他社の機器では波長の制限から上手くいきませんでした。
ここで新しい波長が各社から登場し、その構図は崩れようとしています。キュテラ社の670 nmレッドレーザー、シネロンキャンデラ社の785 nmチタンサファイヤレーザーです。
幸運なことに私は、アジアで最初に両方の機器を使わせて頂いた医師になりました。
670 nmは既にデータも8割方出来上がり、その有効性が確認できました。
チタンサファイヤは今テストの真っ最中。まだ詳細は言えませんが、秘密の手法を用いると全顔で非常に良い結果が出るようです。これは安全性と有効性が確認できたら、近日中にモニター試験をする予定です。
演者の先生方、本社の製品開発部Jamesと(岡橋先生とは残念ながら一緒に撮れず)。
おっと、私が編著の新しい医学書籍のことを詳しく書こうと思ったのですが、また次回に。。。。
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