Quantcast
Channel: 美容外科開業医の独り言
Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

今年を振り返って:治療の流行3

$
0
0
当院の診療は12月30日までとなります。年末ということで大忙し。。。。
この2週間はバタバタしてしまい、なかなかじっくりとお話しができず、患者様にはご迷惑をおかけし申し訳ありません。

前回までで注入、糸や機器の流行について大まかな話をしました。特に世界的趨勢であるピコ秒レーザーについては詳細に記載しました。
ただ、以前と比較して美容医療の治療手段は多岐に渡るようになりました。それとともに全ての治療を医師一人がカバーできなくなりつつあります。もちろん機器の種類が多すぎて、全てを取り揃えることができないという現実的な問題もありますし、手術、糸(スレッドリフト)、注入剤、機器、スキンケア全てを完璧にこなそうとしても、単純に時間が足りません。
そうすると、特定のものに特化したり、治療手技として手放さなければならないものもあると思います。治療の流行は取り入れつつも、クリニック毎の特色を出す必要が出てきています。つまり世界の流れは把握しつつも、流行だけに振り回され何でもする時代ではなくなりつつあります。

しかし、
真逆の表現にはなりますが、
一つの治療法だけではもはや美容医療が完結できなくなっています。前々回も書いたように、手術だけとか、機器だけでは全ての患者様の希望を満たすことはできません。もちろん美容外科医として手術に特化し、プロフェッショナルな医療をおこなうのは一つの考え方です。しかしながら手術を除けば、機器専門とか、注入専門というのは現実には、本当の意味ではあり得ません。機器専門という医師の殆どは注入治療も実施をしますし、糸も用います。注入専門という医師でも機器は所有しています。特定のことしかしていない医師は多くはないのです。
当たり前ですが、保険診療などを主軸に美容医療をしているクリニックでは機器のみに留めることはもちろんあり得ます。しかし美容医療専門ではそうはいきません。

要はバランスだと思います。
より特定分野に専門性を高めつつも、それだけに偏らず、幅広くカバーしていくことが今後は重要になってくるのではないかと思います。

実際、当院では機器治療を主軸に据えつつも、注入療法や糸によるリフトは増えています。それどころか手術までも増加傾向です。機器の比率が少しずつ減っているような印象です。
学会発表・セミナー講演も、機器だけではなく注入療法や糸のリフトまでおこなっています。これら全てにプロである必要があるからであり、あとはどうバランスを取っていくか、ちょっと膨らませすぎた仕事内容を上手く収束させていく必要もあるかと思っています。
来年の課題でしょうか。
ただ、そうは言っても新しいものには目を光らせ、勉強をしていく必要はあると思っています。

来年から当院では様々なプロジェクトが開始されます。海外と連携した新しい機器の検討や、国内導入のための日本人向けプロトコールの完成、注入療法や糸によるリフトのブラッシュアップなどなど。
医師向けの講演、学会活動なども、そろそろ何でも受けるのではなく、腰を据えて計画していかなければならない気がしています。
自己の名誉や利益だけではなく、業界全体が健全に発展していけるよう、お手伝いもしていかなければとも思います。
ただまだまだ若輩者。指導頂いている多くの諸先生方のような御意見番になるほどの人徳もなければ能力もないので、来年以降も研鑽していく所存です。




Viewing all articles
Browse latest Browse all 654

Trending Articles



<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>