昨日は自費研カンファという美容医療のドクター向けのセミナーで講演しました。
一つはピコ秒レーザーpicowayの使用経験という題の講演、もう一つは「美容医療機器のトレンドと課題」ということでクロスクリニック銀座の石川浩一先生との対談形式。
シミ、シワたるみ、部分痩身を各テーマとして対談をしました。
対談においては、最近はピコ秒レーザーと脂肪融解レーザーが世界の話題を二分していますので,この話が多くなってしまいました。たるみの機器治療は、既に理論上も確立されており、その限界点もはっきりしてきています。むしろ長期的な結果や予防的側面からの評価がどうかという話しに焦点が当てられました。
痩身系はやはり凍結治療のクルスカが世界的人気ですが、そこに世界初のレーザーによる痩身機器スカルプシュアが登場したので、この現状がどう変わるのか、またどう使い分けていくのかという対談でした。
さて、ピコ秒レーザーですが、石川先生と評価が共通したのはシミに対する切れ味の良さです。かなり薄いシミでも効果があります。そのうえ、適切な出力で照射すれば副作用、色戻りも少ないのです。ただ、現時主流のQスイッチレーザーよりも照射時間が短いピコ秒であるぶん、ごく僅かな設定の変更で反応も大きく異なります。切れ味鋭いぶんだけ設定も細かく考えなければいけないのです。まさにプロ向けの機器であり、それゆえにレーザーのプロと業界で認められているドクターの殆どはこの機器を導入済みなのです。エセ美容医療をするには必要ないかもしれませんが、本気でレーザーを極めたいなら絶対に所有するべき機器です。やはりシミは美容医療の基本です。収益を考えると不要な機器なのかもしれませんが、より良い結果を出す「患者側に立った医療」をする際には必須の機器と言えるでしょう。
それだけではなく、最近は顔全体への治療が可能な波長なども登場しつつあります。そうなるとフォト・光系治療が霞んでしまうでしょう。実際に全顔治療にフォトを用いなくなったと公言するドクターもいらっしゃいますし、台湾などでもその傾向にあるようです。今後の新たな展開に期待が持たれるところです。フォトが消えていく時代が来るのかもしれません。もちろん私はまだまだフォトを使っていくつもりです。
私の講演以外にも,近畿大学奈良病院皮膚科・アンチエイジングセンター長の山田秀和先生による「加齢医学における見た目」という御講演は面白かったです。見た目は経済、パーソナル(学歴)、社会的資産に続く第4の資産だそうです。学歴を得るため、人脈を得るためにお金を使うように、見た目を改善するためにお金を使うことは資産形成に重要だとか。美容医療にお金を使う人を批判する人がいますが、資産と思えば批判されるべきではありません。人生が明るくなりますし、得をする事も多いのです。今後はいかに第4の資産が大きくなるか、です。そして美容だけではなく、健康資本主義も。不健康な外見が社会的差別をもたらす可能性もあるとか。
考えさせられます。。。。
そして他にもイーストワン皮膚科形成外科の池田欣生先生と東京ミッドタウン皮膚科形成外科クリニックノアージュの今泉明子先生による注入剤に関する対談も面白く拝聴しました。注入剤の材質、テクニックの話しだけではなく副作用・トラブルの話しまで幅広く触れられ、会場は盛り上がりました。
演者の先生方等と記念写真。
相変わらず、週末も仕事でなかなか休めません。。。。