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Channel: 美容外科開業医の独り言
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老化と脂肪

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お盆は月曜日にお休みを取り、土日休みと合わせ3日間で友人夫婦達と韓国に行ってきました。久々にプライベートでの韓国旅行です。実は私、韓国へは既に50回以上行ってますが、ほとんどが仕事での出張のため、本当の文化に触れた事がありませんでした。

今回は全羅南道という食の宝庫を訪れ、本当に美味しい韓国料理を堪能しました。
麗水で美味しい鱧しゃぶを食べたり
 
 
順天で、コマという貝づくし料理を食べたり。
全羅南道は日本ではまだまだメジャーではありませんが、本当に良いところです。ソウルで買い物とグルメ、では飽きている人でも最高に楽しめます。
 
本題に。
顔のたるみについては、今までブログでも書いてきましたが、深部組織である骨などの萎縮、表層の皮膚などの緩み、下垂という複合的な要素で成り立っています。いくら皮膚を引き締めても若々しくならなかったり、いくら沢山ヒアルロン酸を注入しても顔の形が若返らず丸くなるだけ、というのは複合的に考えて治療していないからです。
ヒアル顔と言われる丸くボリューミーな顔が出来上がったり、糸のリフトで何だか違和感を感じる事は避けるべきですし、医師の正しい知識と技術で避けられます。
もちろんヒアルロン酸を解剖を考えてきちんと注入する事で、そのような変形は防げますし、また欲張りは禁物です。
そういった意味でバランス良く治療して結果を自然に出すには、複合的な組合せ治療が理想的です。治療自体は従来の手法ですが、必要な部位、深さにのみ必要な治療をする事で、全体では輪郭を中心に若々しく仕上げる事が出来ます。何より痛みのある治療をフルにびっしりとおこなわず、少しずつ最低必要量で組み合わせるので、沢山色々と実施する割には痛みや金銭面でもバランスが良い治療となりますし、その人個々の顔立ちによりオーダーメイドするような治療となります。
ただ、皮下出血などのダウンタイムはあります。そのため、お盆期間はこのコンビネーション治療を沢山おこなっています。
 
さて、ずっとたるみ治療をしてきて最近思うのは、皮膚のたるみは実は皮膚直下の浅い層にある脂肪の構造変化が第一の原因ではないかという事です。痩身治療をしてきて、お腹の脂肪をつまんだ時の柔らかさに年齢を感じます。加齢とともにたるむお腹は皮膚の変化のみならず、皮下脂肪自体の構造変化があるはずです。それから考えると、実は顔の脂肪も同じです。脂肪間の繊維組織の緩さと脂肪自体の構造変化?が加齢顔貌の大きな原因だと思います。皮膚はごく薄い膜のようなものです。それよりも厚みがある皮下浅層脂肪の緩みがより下垂をもたらすのではないでしょうか。顔の皮膚をつまんでやわらかい、張りがないのは皮膚のせいなのか、皮下脂肪のせいなのか、このあたりの研究をしてみると面白いかもしれません。骨粗鬆症、皮膚粗鬆症に続き、脂肪の粗鬆症も考えても良いのではないでしょうか。
そう考えると皮膚のコラーゲンを増やすような治療ではシワには良くてもたるみにはあまり効果が出ない事が分かりますし、サーマクールのような高周波で皮膚のみならず皮下の線維組織を三次元的に収縮させる事がたるみ治療には重要なことも理解できます。ウルセラも然りです。皮膚の引き締めではありません。皮下脂肪の引き締めがキーになります。
最近、予想よりも有効で人気も出てきた治療であるエランセ注入を用いたbio-stimulator治療が、皮下浅層の組織の張りを回復させる事でたるみへの効果が出ているのだろうと分かってきました。古くはショッピングスレッドやウルトラVリフトで肌の質が良くなったように、これを突き詰めた治療がbio-stimulator治療なのだと思います。
今まで治療が困難だった目の下や頬などに張りをもたらすエランセbio-stimulator治療は今後もっと検討していく必要がありそうです。

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