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Channel: 美容外科開業医の独り言
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日本レーザー医学会総会に参加 in 浜松

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週末は浜松で開催された第40回日本レーザー医学会総会に参加してきました。
この学会は皮膚科形成外科だけでなく内科を始め各科の医師や工学関係の研究者が集まります。基礎的なお話は時に私の固まった頭の中を柔らかくしてくれます。
 
 
さて、今回はシンポジウムと要望演題の2つで発表でした。
シワたるみの機器治療と、ニキビ痕のレーザー治療について、です。
シワたるみの機器治療については最近様々な学会等で講演依頼があり、毎度新しい内容を盛り込むのに苦労しますが、今回は口の中からレーザーを照射するほうれい線の治療法と、顎下のたるみに対するウルトラセルQプラスの新モデルについても少しお話しさせて頂きました。
 
ニキビ痕は炭酸ガスレーザーを用いた治療について私のこだわりを発表しました。フラクショナルレーザーの効果の限界とフルアブレーション、つまり皮膚を面状に削り取る手法について。面状に削るのは治療後長期赤みなどが残りますが、結果はずば抜けています。数年の経過観察している方を見ても、たるみの影響以外はほぼ結果をキープできる手法です。短いパルスレーザーで処置すると表層のみの熱変化なので、効果が短期に終わる可能性もあります。深部までいかに安全にしっかり熱作用を及ぼすかが鍵になる治療です。特定の機種の特殊なスキャナでしか達成し得ない長期結果、もちろん治療手技の問題や皮下癒着が強い人など適応を誤っても効果は続きません。傷跡というのは1〜2年で柔らかくなってしまうものです。しっかりリモデリングすることが重要です。そこを理解して機器を導入しないといけないのですが、もちろん機器ごとに特長があるので、結局は複数台導入して使い分けています。同じ炭酸ガスレーザーと言えども、各製品によって大きく違います。
 
さて、浜松グルメも。
 
 
ちょいと食べすぎました。。。。
 
 
翌朝は浜松をRUNで観光。
浜松城址。
 
佐鳴湖。
 
亀山トンネル。
午前中は時間に余裕があったので14 kmほど走れました。
 
そしてお昼も餃子でランチ。
 
 
 

その後は評議員会に出席して、シンポジウムを聴講して帰宅。

しっかり勉強して、しっかり食べた週末でした。

 

そして火曜の祝日も、京都まで日帰りで医学書出版に関するお仕事。ちょっと休みがほしいかも。


韓国出張〜口腔内照射によるたるみ治療〜

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週末は韓国に出張でした。
今回はFotona LA&HA in Korea 2019がソウル龍山のドラゴンシティで開催され、講演依頼があったので参加してきました。
 
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今回の講演は口の中や下まぶたの裏側からの照射による弛み治療スムースリフトの理論と効果についてです。この両方とも、韓国では既に広くおこなわれています。しかし理論的な裏付けがあまりないままであり、形成外科医の立場からその機序を考察してみました。

スムースリフトは当院の正式メニューになっていますが、まだクリニックサイト上では公開はしていません。治療費が高いので、これをいかにリーズナブルに、かつ効果を落とさずに出来るか、今考え中です。最近やっとその糸口が掴めてきました。


 

座長は世界的に有名なWooseok Koh先生。ほかにも講演者の殆どは友人でした。何だか気がつけば韓国のドクターとは深い繋がりがあります。皆さん親切で、ホントに良い人ばかり。

 

最初はもっと小さな会かと思っていましたが、有名な医師が沢山。


残念なことに、殆どの講演は韓国語。何を言っているのか理解は出来ず。。。。プレゼンスライドは英語の先生が多かったので、何とかなりましたが、もう少し勉強したかったかな。

 

 会は昼からなので、朝は漢江沿いをランニング。

整備されてて気持ち良いです。

 

 ドラゴンシティ。ショッピングモールあり、ホテルは4つの複合施設。

 

 グルメも少し。ミシュラン星付きのカンジャンケジャン。しょっぱさがなく、美味しかったです。

 

 松茸のスープも。


相変わらず慌ただしい1泊2日の週末出張でした。

 

婦人科レーザーとの共通点

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週末は福岡で講演のお仕事。日本女性医学学会の開催に併せて業者が開催したセミナーだったので、参加Dr.はほぼ全員が婦人科医。
 
当院で実施しているレーザーの粘膜照射(口の中、下まぶたの裏から)の理論と臨床についてお話をしました。
 
もちろん当院でおこなっているのは婦人科とは関係ない、弛みの治療なのですが、経膣や経尿道など粘膜面からの照射の理論と近似するものがあるため、レーザーの基礎から詳しく解説をさせて頂きました。我々形成外科、皮膚科医と異なり、婦人科のドクターにとってレーザーとは何か、そもそもの基礎知識は大きく異なります。波長や照射時間による反応の相違など、我々の領域では当たり前と思っていることがなかなか新鮮だったようで、喜んで頂けました。
 
粘膜照射はEr:YAGレーザーを用います。このレーザーは水分への吸収率が高く、通常は表層で全てのエネルギーが水に吸収され、皮膚の場合ですと蒸散、つまり煙になって皮膚組織表層が削れていきます。薄いイボを削るには非常に優れています。
これを粘膜のような「水でコーティング」された組織に照射すると、皮膚とは反応が異なります。同じく水分に吸収される炭酸ガスレーザーのような熱凝固作用が強い波長と比較すると、吸収率は10倍以上の差があり、それゆえに相対的には蒸散が起こりにくくなります。さらにはパルス幅(照射時間)、エネルギー、重ね打ち数、ビーム形状などを工夫することによって、蒸散なく、熱作用を高める事が出来るのです。
この非常に面白い理論を最初に聞いた時には、私自身の固定概念から理解できず、また詳細に日本語で書かれたものはどこにもありませんでした。レーザーメーカー本社の学術担当に何度も直接話しを伺い、プレゼンファイルを見せてもらい、最近になってやっと理解しました。それと同時に、いかに効率良く実施できるかも解決の糸口が掴めてきました。
現在は時間がかかる施術で手技も煩雑であるため、ある程度高額な治療費を頂いていますが、その割に1回での効果が分かりにくい治療です。そこをもう少し改良して、近日中には正式な治療メニューにして皆様に公開したいと思っています。もちろん既に多数の患者様に実施をしていますが、当院のオリジナル照射方法として、治療費を下げ、お気軽に何度でも実施頂けるような弛み治療にしたいと思っています。
 

 

一緒に講演した佐々木レディースクリニックの佐々木淑先生と。

 

 

 

講演終了後は、美味しい和食を。

 

 

 

もちろん翌朝は旅ラン。大濠公園にて。

 

口腔内照射のたるみ治療講演 in 東京

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先週末は都内でセミナー講演のお仕事でした。月初の福岡に続いて、口の中から、下まぶたの裏からの粘膜照射によるたるみ治療。


座長のクロスクリニック銀座、石川浩一先生、ほか演者の田中病院田中優子先生、カワバタクリニック河端一永先生と。
私以外は美容皮膚科的内容ではなく、育毛やイビキ治療についてです。

私の講演内容は前回と同じですが、少し皮膚科医向けに理論を詳しく解説しました。

この治療法、当院ではまだ正式メニューにはしていません。しかし既存の患者様からの希望が多く、かなり稼働しています。
正式メニューではない理由は治療費です。しっかり照射すると手間がかかり、ある程度高額治療となります(現在口の中からで7万円)。それを3回以上実施するので、費用対効果が私自身、100%の納得ではありません。現在、しっかり照射する手法以外に、より簡略化して費用を下げ、費用に見合う効果が出せる手法を考えていて、もうすぐお披露目できるかなと考えています。
メーカーの設定通りに実施するだけではなく、より最適化を目指してさまざまな条件を考えていくことが重要です。患者様に喜んで頂ける医療を目指して、鋭意努力します。



今年最後の韓国出張講演

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週末はいつものように弾丸出張講演。
今回はソウルへ。
私の愛用するピコ秒レーザーのピコウェイを製造販売するキャンデラ社の韓国支店がコアなユーザーを招いて開催するCandela nightなるものに招待されたのです。
私とオーストラリアのDr.Eric Song の講演がメインですが、それ以外にもショータイムがあったりと、楽しい感謝祭のような感じでした。私はレーザーだけでなく日韓の美容医療の違いなどについても講演をさせて頂きました。

日本は非外科的美容医療の比率が高く、世界でも数少ない形成外科医がレーザー治療を牽引している国です。これらのことについて特に韓国との比較論を、学会の統計や歴史的背景などを交えてお話しさせて頂きました。


エントランスではちょっと気取った記念撮影を。



同じく講演したEricと韓国の若手有望株Alex Leeと。
海外は若手がどんどん講演してます。いつも熱い議論を交わしますが、良い奴ばかり。


マジックショー。うーん、微妙。

この後は飲みに出かけて深夜まで語り合いました。韓国らしい夜を過ごしました。

さて、土曜の夕方からの会だったのですが、それに間に合うに飛行機は朝便となり、昼にはソウル市内に到着。時間が余ったので前回訪韓時に行きそびれた焼肉を食べにタクシーで三角地という場所まで。

あばら肉のチャドルバキ。

美味しかった〜。

バンコク弾丸出張

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先週は金曜日を休診とさせて頂き、3日間でバンコクへ弾丸出張してきました。
Fotona APAC meeting。レーザーメーカーのアジア太平洋地域でのセミナーへの参加です。
今回は発表なく、お気楽。目的は新しい知識、情報の習得、新製品のお披露目視察です。
まだまだ知らないことが多くて、日々勉強。そこで得た知識を診療に活かし、患者サイドへ還元することこそが重要といつも考えています。

 

外気温は30度超えてますが、相変わらず室内は恐ろしく寒い。。。。

 

 

本社の学術責任者ズデンコ氏。Fotona社の技術、理論に関するプレゼンを一括して担う、まさに「顔」です。私の目的の全ては彼の話を聴きに来たようなものです。いつ聴いても素晴らしい、ワクワクします。
 
Fotona社はEr:YAGとNd:YAGの2つの波長レーザーの技術に長けたスロベニアのメーカーです。特にEr:YAGの新しい理論、使用法が面白く、古典的な皮膚を削るというablativeな理論だけではなく、non-ablativeつまり削らずに熱を深部へと送り込むsmooth modeという機構が革新的です。このモードを用いて口腔内粘膜照射による顔面たるみの治療をはじめとして、婦人科や泌尿器科の粘膜照射による更年期、老年期の子宮脱改善・膣内粘液分泌や女性機能の回復、尿漏れの改善などが可能となっています(当院では美容目的のみで使用)。当院で使用しているSPDynamisはこのEr:YAGだけでなくNd:YAGレーザーも搭載し2つの波長を発振できる最上位機種です。今回は廉価版のTime walkerという機種も発表されました。使用できるハンドピースに制限があることや出力がかなり低いことなどが欠点ですが、廉価な下位機種として美容領域での導入が進むかもしれません。
いずれにせよ、この機種は理論を理解するのが本当に難しく、様々なパラメーターをどう用いるか、理論を基に組み立てていかないと良い結果が得られません。
今回はこの機器SP Dynamisを用いたたるみ治療についてアジアのドクターから臨床経験を主とした発表があり、それらの設定を見て、当院でも2通りの考え、かなりハードに振った手法とマイルドな手法の2つを軸に用いていこうと決めました。費用は2通りに設定し、患者様の希望に応じて選択していこうと思います。詳細はまた後日公表します。

 

 

さて、夜は暇なのでナイトマーケット。インスタ映えするというスポットへ。

 

 

もちろんグルメも。ローカルなタイヌードルのお店。

 

 

地元の高校生も沢山いました。

 

 

そして定番の蟹と卵のカレー炒め、プーパポンカリー(ソンブーン)。ここは予約も可能ですが、予約なしでもだいたい30分待てば食べられるので、毎回必ず訪問。

 

 

夜遅くには宿泊ホテルそばのルーフトップバーにも。

 
 

帰国日の朝ご飯に、鶏ご飯カオマンガイ。

 

 

このカオマンガイの店はミシュラン星付き。

 

 
色々遊んでいるように見えますが、正味滞在は2日間です。。。。
相変わらず弾丸出張ですが、年内もう1回海外でお仕事予定です。より良い治療が出来るよう、まだまだ勉強していきたいし、自身の持つ情報や知識をアジアに還元したいと思っています

 

今年最後の講演 in 台湾

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週末は金曜日午後を休診とさせて頂き台湾へ弾丸出張でした。台湾皮膚科学会のサテライトシンポジウムでの講演のためです。
当院のたるみ治療機器の一つであるウルトラセルQ+についてお話しさせて頂きました。
満席で立ち見が出るほどでした。有難いです。
ウルトラセルQ+はウルセラに比較して痛みが少なく、かつ顎下のアダプターなどがあって非常に使いやすい機器です。当院でも人気上昇中の機器です。

学会自体は美容だけではない、皮膚科学会の総会です。

ただ、学会内は日本に比較して商業的な雰囲気。
サーマクールのチップを模倣した人形焼。


コンパニオンさんも多数。

今回、沢山の台湾の友人達と再会。
皆さん、台湾では引っ張りだこの有名なドクター。





ここ数年で我々の業界は劇的にグローバル化し、国際学会も多数開催されるようになって、交流が増えました。情報が溢れ、更新され、治療方針をアジアで共有する事が重要になりました。古い考えはもはや相手にされません。日本という国に閉じこもって海外の事を知ったかぶりで語るのは恥ずかしく、もはや後進国になりつつあります。日本の方が進んでいる、自分は正しい治療をしているという思い込みは捨てるべき時代です。そんな中、たくさんのアジアの友人を得て、色々な情報をメールなどでお互いに聞くことができる私のポジションは本当に有難い限りです。そのためにも今後も海外の活動を続けていこうと思います。独善的な治療の押し付けではなく、もっと普遍的でかつ最新の治療を提供できるためにも。

感謝状頂きました。

こんな感じでプログラム集に掲載されて嬉しいです。


さて、すこしグルメも。
郭家肉粽。絶品のB級グルメ。チマキ肉粽と米のプリン碗粿、モツのスープ四神湯。高雄に来るとこの店に立ち寄ります。

夜市も。
臭豆腐。

但し、臭いが軽く、フライドポテトのようにsticky。

朝はランニング。
くまモンかと思ったら、高雄熊。

下町エリアの塩埕埔を走りました。


市場も。


これで今年の講演活動は終了。来年も海外講演が幾つか決まっており、台湾は2回は行く予定です。毎回楽しく人も親切な、私の大好きな国です。

今年を振り返って

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本日は今年最後の診療日です。新年は6日から診療再開します。

今年も沢山の患者様に御来院頂き、有難うございました。個人の小さなクリニックにも関わらず、多くの方に信頼いただき、クリニックを運営出来る事は大変嬉しく、その期待に応えるべく日々邁進してまいりましたが、至らない点も多々あったと思います。この場を借りて深くお詫び申し上げます。より良い美容医療が出来るよう来年も沢山の情報を集め、新しい機器を導入し、また技術を磨いていく所存です。

またいつも予約が大変混み合い、申し訳ありません。なんとか効率良く診療が進むよう、この10数年は調整をしてきましたが、診療出来る人数に限界もありますゆえ、何とか御容赦頂ければ幸いです。

今年を振り返ると、海外の学会やセミナーなどでヒアルロン酸やエランセによる新しい注入手技を習得し、自然な若返りやコラーゲンの刺激増殖など幾つかのコンセプトのもとに実践してきました。そして、昨年に引き続きピコ秒レーザーの治療手技に磨きをかけました。他にもHIFUの複数台導入などもおこないました。
学会活動は、今年45講演させて頂き、うち11回は海外講演でした。韓国、台湾、タイをはじめスロベニアまで、様々な国に行きました。沢山のアジアの友人が出来ましたし、学会の学術委員とコネクションも出来て、日本の次世代医師と繋げる役割も果たせました。そして、今年は弾丸出張に努めて、昨年より休診日を少なく出来ました。
論文や医学書執筆も多数おこない、自身が習得した知識や技術も業界に還元できました。

私自身、この業界で働き、様々なことを吸収することが楽しくて楽しくて仕方なくて、今年もパワー全開で走ってきました。
来年もより良い美容医療が実践出来るよう邁進していくつもりです。そしてまた、業界に少しでも恩返し出来るようサポートしていきたいと思います。

こんな私を信頼して通院してくださった沢山の患者様、いつもサポートしてくれるスタッフの皆んな、機器を整備し情報を提供してくれる業者の皆様、そしていつも支えてくれる家族に感謝して、今年の最後のブログと致します。

毎年同じような内容で申し訳ありません。ただ、普段なかなか感謝の言葉を伝える機会がなく、恒例とさせて頂いております。



新年の初めにお知らせ

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新年、明けましておめでとうございます。

今年初のブログです。

 

早速なのですが、患者様にお伝えしなくてはいけないことがあります。

年明けからクリニックの温水器が故障してしまい、ご迷惑をおかけしています。

水は出ますし、水道水よりは温度は高いですが、温水ではないため、出来ればノーメイクでご来院頂いた方が宜しいかと思います。

10日程度修理までかかる見込みです。

 

クリニックも現在の場所になって16年経ち設備の老朽化があるため、床壁の貼り替えなど含め定期的に補修や点検をしていますが、今回は設備の故障となり、ご迷惑をおかけします。申し訳ありません。

 

 

さて

今年も新しい情報を積極的に入手し、発信していきたいと思います。また自身のスキルアップにも時間を割くつもりです。国内では不十分なので、やはり今年も海外に行き、様々な学会等で勉強したいと思います。まだまだ力量が足りないので、もっと知識技術とも磨きをかけて最良の美容医療ができるよう努力する所存です。宜しくお願い致します。

 

 

 

 

たるみの機器治療 その予防効果と開始年齢

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現在、機器による顔面たるみ治療には様々なものが登場しています。
最近では20代でも治療したいと来院される方もいます。若い方は顔貌などによっては僅かなたるみでも疲れて見えたりする事があり、多くの場合は頬への注入によって顔貌を変える事で対応しています。では機器治療は何歳からが良いのでしょうか。極論ですが10代でも予防的に治療をする方が将来にとって良いのでしょうか?

そもそも機器治療の多く、痛みを伴うタイプは熱によるダメージで傷を作り、その治癒過程で新しいコラーゲンなどの組織を再生します。誤解を承知で言えば、これは若返りではありません。単に傷を作っただけです。新しいコラーゲンで張りを出すのはあくまでキズの修復能を利用しているのです。
コラーゲンなどの加齢で失われて皮膚老化の原因となる構造物を作る線維芽細胞は普段は大人しく寝ていて、その代謝過程は非常に緩やかです。安定した構造を維持するだけの代謝しかおこないません。ここを注入剤、サイトカインなどで活性化して若返りを狙う治療法もありますが、効果は限定的です。
しかし傷ができた時などでは一気に活動してくれるのです。細胞の活性化は傷が出来た時に限ります。機器は傷をつけて自己再生の力を利用しているのです。
じゃあ傷痕だらけになってるかというとそうではありません。細胞レベルで見ると少しコラーゲンが増えたかなという議論を我々は学会でしているくらいです(遺伝子レベルでは細胞の若返りになっているという報告もありますが)。そもそも外科的手術はもっと皮膚の下が傷痕だらけになり癒着します。傷痕が出来るのは問題かというと、現実にはそういうリスクはほぼありません。どちらかというと質の良い組織を再構築します。

この新しい質の良い組織を作れる事が機器治療のメリットです。たるみきってから照射するより少したるみ始めた頃に照射した方が良いのです。たるんでしまったら元に戻すのは大変です。
では何歳からか。出来上がったコラーゲンなど細胞外基質が照射前のものよりも質が良いかどうか、になります。20代では傷となって出来た再生組織は多分本来のものよりも質が悪く弾力に欠けるでしょう(一方で年齢に関係なく、傷痕ができると軽い癒着を生じさせ、皮膚が下垂しにくくなる、という現実もあります)。
という事でベストな時期とは、経験上、30代後半あたりではと考えます。この年代が境界になるのではないかと思います。
ただ、あくまで今の話は皮膚のたるみです。たるみには骨の萎縮や皮下脂肪の質の変化、支持靱帯の劣化など他の要因もあります。皮膚が硬く引き締まっても限界はあります。これらには深部加熱をおこなう機器群(テノールなど)が有効であり、20代後半からでも治療して良いと考えます。もちろんこれらはダメージを生じさせないので、効果が望めない事を理解されるなら別に10代でも害自体はありません。もちろんあまり意味はありませんが。

いずれにせよたるみが強くなる前に開始するのをお勧めしています。
予防的意味合いかねて早く組織再構築をおこなう機器治療をするなら30代後半から。ただ、目に見える結果を求めるなら40から50代。
では60や70代は無効でしょうか。もちろん皮膚は引き締まります。それが目に見える結果となるかどうかはたるみ具合によります。

それなら諦める?しかし年齢は戻せないのなら、ベストな時期は1番若い時、つまり「今」です。

プレーンリフト by ヒアルロン酸

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最近はヒアルロン酸注入によるたるみやシワの改善がポピュラーになっています。
1990年代末頃から我が国でも治療が始まり、近年は厚生労働省の承認した製剤も多数販売されています。以前のようにヒアルロン酸は絶対イヤだという患者や医師は減ってきました。
安全性も確立され、逆にリスクも明示され、様々なテクニックも進歩しています。
かつては単に凹んだ溝を埋めるパテのような使い方でしたが、近年は加齢で減ったボリュームを補う手法へと進化し、今はリフトアップする手技も多数登場しています。逆に誰もが同じ結果にはなりません。医師の技術は勿論、コンセプトの理解、新しいテクニックの習得が重要になってきました。私自身は毎年数回、海外に行って新しいテクニックを勉強することを常としています。本邦では様々な法的制限から、やや古典的な手法になりがちです。アレンジのない決まりきった手法は患者様の顔の形状に応じた対応ができません。
さらにはなぜか大量投与を推奨されることもあるようです。ボリュームが多いと確かに変化はしますが、自然か否か、議論のあるところです。
特に日本人は他の人に何か入れたと分かるような変化を嫌う方が多いと感じます。
私自身は基本的に1〜2本のヒアルロン酸で収まるような治療をしています。8割の方が1本足らず、つまり1cc未満という微量注入です。変化はきちんと得られるがごく自然に、これがコンセプトです。
何通りもの手法がありますが、その中で最も簡単に出来るテクニックをまとめたのが、プレーンリフトです。

ヒアルロン酸のレスチレンシリーズの製造販売会社、ガルデルマ社の日本法人が作成した医師向けパンフレット。この製品でないと行えない少量注入テクニックをまとめたものです。本当に基本的で初心者向けですが、簡単なテクニックで、その概念を理解していただければという事で、監修させて頂いています。以前のバージョンは既に配布されていましたが、やや商業的ではあったので、少し基本に立ち返り、新しく作成してもらいました。
この製品の使用量、当院は我が国でも上位とのこと、さらには1人に何本も使わないので、患者数の比較だとかなり上位のようです。今日聞かされてビックリ。来院される皆様の満足度とリピートによるものと考えています。

肌に張りを出すハイフHIFU

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あっと気が付けば2週間もブログ放置。
実は今回のコロナウィルスの関連で私のアジア圏への出張、講演がことごとく延期となり、おかげで週末は家族団欒してますが、ブログのネタがないです。
全く新しい治療はないのですが、今じわじわと人気が出ているHIFU治療の中で当院で最もマイルドなリフテラVが最近面白いです。ウルセラのような強力な治療ではないため、痛みは勿論多少ありますが、充分許容出来るようなレベルで、かつなんとなく引き上がります。軽いダメージであり、何よりたるみの予防に役立ちますので定期的に受けられる患者様が多い治療です。
しばらく前から新しいオプションが加わり2 mmの深さに少ない痛みで熱を加えて皮膚に張りを出すことができるようになりました。ハイフシャワーの進化版といったところでしょうか。
今その実証試験中で、今度の国内の学会で発表予定です。

日本医学脱毛学会で講演

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週末は日本医学脱毛学会に参加しました。
秋葉原スキンクリニックの堀内祐紀先生が会長で、僭越ながら特別講演の依頼があり、総論的なお話をする機会を頂きました。
 


 今回の学会、テーマは「つなぐ」だそうで、私の講演も、それに準じて、アジアをつなぐ、理論をつなぐ、開発をつなぐ、の副題で、美容医療におけるレーザー・機器治療という演題名としました。このような総論の話を出来る機会は本当に少ないので嬉しかったです。

昨今は美容医療のグローバル化が顕著で、また機器開発者はアジアを重視してきています。そのため我々医師は国内の古い理論や自己満足の医療を捨てて、新しい知見を求めて国外へと羽ばたいていく必要があります。日本はやや時代遅れで置いていかれた状態で、怪しげな治療が海外から入ってきても多くの医師がその是非の判断をできない状況にあります。また国内で論じられていることが海外では既に終わった議論であったりします。正直、本来学会で主導的な立場となる大学の医師たちは、美容医療の臨床には造詣が深いわけではなく、特に機器や薬品などに関する本当に必要な知識を持ち合わせていません。公正にジャッジできる指導者がいないのです。それがまた怪しい医療を増長し、美容を正しい道にしていくことが出来ない理由でもあります。
古典的な考え、政治力だけでは生馬の目を抜くような美容医療の進歩にはついていけません。
現場で何が起こっているのか、そしてグローバルには何が起こっているのか、余計な声に振り回されず、この目でしっかり見てほしい、というのがこの業界にお世話になった私から、若い先生方へのメッセージです。
実は何人かの有望な先生方にはお声がけし、今年の春からアジアの学会で講演してもらう手筈を整えてきました。私のアジアの友人達もいつの間にか学会の重要なポストを占めており、お願いすれば話を通してくれるようになりました。色々頼んでやっと始動!と思ったら、新型コロナウィルスのためアジアの学会は次々と中止や延期となり、がっかり。。。。
これにめげず、再始動します。
私自身はロクに英語も喋れず、大して海外講演の経験もありませんが、このキャラで人脈だけはあるので、若い先生方のお役に立ち、日本がアジアの他の国に置いて行かれないように繋いでいきたいと思っています。そろそろ業界への恩返しをしなければいけない年齢です。そう思い、医学書もいくつか執筆中。

 


 


 

学会の中止、延期と週末の仕事(雑感)

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最近のコロナウィルス騒動で、国内外の学会が中止や延期となっています。そのため出張予定で休診となっていた日程も診療をしますので、初診予約などは少し取りやすくなっています。今年前半はほぼ暦通りの診療です。

 

この春、台湾レーザー医学会、韓国美容皮膚科学会、AMWC(アンチエイジング系学会)などアジアから講演の依頼があり、日本の中堅ドクターを連れて行ったり、友人達と親交を深めることも楽しみにしていたのですが、残念ながら今年前半は難しそうです。日本形成外科学会学術集会も今年は8月に延期となりました。

 

おかげで週末は執筆活動に勤しんでいます。元々執筆のため今年の講演活動は少しセーブしていますが、今は週末の仕事が何もないです。

本当はつい最近、最後の仕上げが終わった医学書が一つ、春の学会開催に合わせて出版されるはずだったのですが、どうなることやら。そのほかにも以前出版された書籍の第2版執筆や、美容皮膚科系のかなり本格的な書籍等の分担執筆、編集が数冊あったり、韓国の美容医学商業誌の連載の再開など、今年は執筆イヤーとなりそうです。

私は一医療人。ビジネスのことは今一つ苦手です。このような仕事をしているのが性に合っているのかもしれません。

 

この業界で少し変わったポジションとして20年ほど勤しんできました。最近やっと大学の諸先生方にも評価されるようになり、色々な依頼も増えてきました。

美容医療は怪しい医療とされた頃から比べると雲泥の差です。しかしながら私自身のおこなっていることはずっと変わってないので、世間の評価が変わっただけ、そう思います。でも、それが大事と思う今日この頃です。臨床をなおざりに商業主義的に新しい治療を先導するドクターが徐々に排除されていっている現在、自身もそうならないよう、襟を正して診療に、学術活動に励みます。

 

雑感のブログでした。

 

さて

コロナウィルス感染はいつになったら終息するのでしょうか。密閉された空間(屋形船、ジム、コンサートやライブ、クルーズ船など)での集団感染が主とはいえ、見えない敵というのは恐怖であり、飲食や旅行業は大きなダメージのようです。

今、まさに封じ込めの瀬戸際であり、この2週間(潜伏期間)が経過したのちに発生件数が徐々に下がり始めるかどうか、です。その間,私は屋外をランニングすることでストレス発散かな。

 

専門家と専門家っぽい人

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最近は新型コロナウィルスの影響が色んなところに出ています。幸いクリニックは沢山の患者様に来院頂いていますが、急を要しないスキンケア系の治療はやはり少なくなってはいます。

さて、テレビなどでは感染症の専門家の方々が毎日色々コメントされています。真逆の意見を聞くこともあり、また医学的に疑問符が沢山つく発言も多々あります。私情であらぬ噂話を広めたりなど、おそらく本当の専門家から見ると怒り心頭なものもあるのではと思います。
私は感染症の専門家ではないので何が正しいかを発信は出来ませんので、お見かけする専門家が本当にそうなのか、を考えます。そうであれば発言を信じます。
調べる手法として、一番はその領域に詳しい友人に聞くこと、そしてネットで論文や学会発表をされているか調べる事です。調べてみるとやたらテレビ出演だけ多い専門家、一般向け本は沢山書いているのに論文は全くない専門家などが見受けられ、その人の発言はやはり時々疑問符がつきます。
我々の美容領域でも同じです。メディアに出ている医師の発言を耳にするたび、「ちょっと待ってよ」と叫びたくなることが多々あります。しかし、いくらブログなどで私が発信しても、圧倒的多数が視聴するテレビとは信頼度に雲泥の差があります。お願いだから間違ったことは言わないでと思うのですが、なかなかそうはいきません。もちろんそのような発言をする医師は、我々の業界では誰も知らないレベルです。論文もなければ資格もありません。訳の分からない(本来存在しない)専門医を名乗っていたりします。メディア側はそれを検証しないで出演させるので厄介です。
メディアで有名な先生がその筋で本当に有名なのか、実力があるのかはまた違った話なのです。
今回のウィルス騒動で、自称専門家の話に振り回されないように注意が必要です。そして美容医療領域においても全く同じで、客観的に評価されるべきものが果たしてその専門家にあるのか、きちんとその背景を調べて、情報を信じるかどうか決めなければなりません。

美容皮膚医療ホントのところ

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拙著、「美容皮膚医療ホントのところ」が本日発売となりました。Amazonでは4月1日から販売の予定みたいです。医学専門書です。

詳しくはこちら。ご購入、お待ちしております。

 

結構ふざけた表紙と思われるかもしれません。私自身、出版社からこの案を頂いた時には「専門書なのに大丈夫か?」とちょっと驚きました。ギリシャ神話の神に喩えて、それぞれの著者を紹介するということで、私は編集責任者という事でゼウスとなりました(笑)


結構似てると評判です。

しかし中身は美容医療エキスパートの先生方による渾身の原稿で、各症状ごとに2名が自身の治療方針などを執筆頂き、対談・鼎談を行い討論。論文では書かない、実際はどう考えて治療するのか本音を引き出し討論して頂きました。
かなり白熱し、非常に面白い内容になりました。これをまとめて結論付けるのが私の主たる仕事でした。
8名の先生に執筆頂き、ブログでも紹介されています。

御協力、ありがとうございました。


このような医学書はこの業界を良い方向へ導くために非常に重要だと思っています。雑誌などのメディアは一般への啓蒙もありますがビジネス的側面も強く、やはり医師たるもの、自分の主張はこのような形で残したいと思います。そして少しでも同業者が役に立ったと言ってくれたら、こんなに嬉しい事はありません。

 

 

 

コロナウィルス

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新型コロナウィルスCOVID-19の影響で東京は緊急事態宣言が発令されました。

当院は職員数を業務に支障がない最小限度まで減らして(自宅待機を命じ)診療は継続しています。抜糸や処置が必要な患者様はどうかご安心ください。スキンケア系の処置は当面予約制限がありますのでご了承ください。

 

安全対策として、スタッフ全員が保護メガネ、マスク着用をしておりますので、いつもと違った雰囲気です。入り口ドアも開放し、各部屋の窓も必要に応じて開けております。また来院者全員に非接触型体温計による検温を実施しております。

3密を避け、人との接触頻度を減らす、このような態勢で絶対に大丈夫とは言えないかもしれませんが、最大限の配慮をして診療しております。

 

プライベートでは全て家ごはん。外出は犬の散歩と子供のマンションに行くくらいです。一切公共交通機関に乗らず、移動は自家用車か自分の脚。先週は50 kmランニングしました。でもなぜか痩せません。。。。

 

早くこのウィルスの流行が収まりますように。

当院のコロナウィルス対策詳細

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コロナウィルス感染者拡大の影響で全国的に様々な活動制限がおこなわれており、美容医療も例外ではありません。当院でも先日公開された日本美容外科学会の指針に従っています。学会に属する以上、指針に従うことが責務ですし、今後も指針が変更されれば随時診療内容を変更する可能性があることはご承知ください。

 

具体的には

侵襲的な美容外科手術の延期や低侵襲化;侵襲性の高いものの延期。これらは、あくまで手術に関するものです。但し注入・機器治療など非侵襲の施術でも口腔内など粘膜面からの治療はエアロゾル化して散布のリスクがあるため中止。

 

感染症治療に必要な医療資源(医療物資、輸液、抗生剤、ベンチレーター、医療スタッフ等)の使用を最小限に;さまざまな点滴の中止、抗生剤は外用内服のみ、医療スタッフは半数以下の出勤と休業措置

 

来院頂く患者様には検温の実施

当院スタッフは毎朝の検温、マスクおよび保護メガネの着用。

診察室は患者様入れ替えごとの消毒。予約件数制限による混雑緩和。ドアの開放など通気・換気。

 

厳しい期間が続きますが、上記が当院の対策です。精一杯のことはさせて頂きます。

 

ただ、必要な医療もあります。美容的な施術であっても治療後の経過来院なく悪化した方や、ニキビの急激な増悪、ケロイドの症状悪化、肌ケア中断から皮膚炎の進行なども見られておりますので、お気をつけ下さい。不要不急か否かを考え受診頂ければ幸いです。

 

ウィルスは見えない敵であり、万全にしていても絶対はありませんが、衛生面には気を付けて、また学会の指針を順守して、今後も診療を続けていきたいと思います。

 

 

 

 

美容医療は不要不急なのか

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新型コロナウィルスの影響で,世界中が大変な状況となっております。美容医療なんて言っている場合ではない、そんな時期です。他国の医師仲間の状況を見ると、欧米では多くが休診中です。国際学会のwebセミナーではafter CORONAでどうするべきか、等が論じられています。

しかし一方で、台湾や韓国では診療を継続しているようです。我が国も多くのクリニックは診療を継続しています。平常通りの患者数というところもありますが、激減しているところもあり、経営が大変という話もよく耳にします。

美容だけではなく内科等の一般医療機関も受診患者数が減少し,経営難になっているそうで、飲食だけでなく、人と対面する必要のある仕事は感染症関連以外は全て厳しい状況なのだと痛感します。

当院においては,予約がなかなか取れないという状況ではなくなりましたが、診療は通常通りです。来院希望の方はいつものように御予約下さい。しかし感染予防のため待合室の混雑回避、social distanceや診察毎に清拭消毒など、どうしても予約人数の制限が必要であり、ご不便をおかけしています。

 

さて、美容医療は不要不急でしょうか。もちろん殆どはそうです。ただ、何を基準に不要なのか、不急なのかを論じることは難しいです。個人によって考えは異なります。そして2〜3週ならともかく、長期化してくると話も変わってきます。ですから、同類のものでたとえるのが良いかなと思っています。

視点が変われば価値観や判断も変わりますので、これはあくまで現時点での私個人の意見です。そして美容医療に肯定的な考えを基本としています。否定的考えなら全て一生涯不要になってしまうので、その点はご了承下さい。

 

しみの治療:これは白髪染めと同じと思います。放置しても見た目の問題だけ(紫外線予防は必須です)。気にしないなら白髪染めも不要不急です。一生白髪を染めない、なんていう人からすれば意味のないものです。こんな時期に白髪を染めに行くなんて言語道断、そう考える人もいるでしょう。一方で見た目が気になる、何とかしたいという人もいるでしょう。市販の白髪染めで十分だという人もいれば美容室に行きたいという人もいるでしょう。待てないか、長期でも我慢するか、永久に放置か、個人の考え方次第です。

 

ヒアルロン酸注入:ネイルや睫毛のエクステと同じです。急ぐことはないですし、1年放置でも、あとで何とでもなります。マスクするしstay homeだから人と会わないので今は不要。それで構いません。しかし「いや、外見は重要。ネイルのない指なんて恥ずかしい」、今の時期でもそう思う人もいるでしょう。逆にネイルをしない男性からしたら何を馬鹿なことを、そもそも平時でも「不要」だろうと感じるかもしれません。ただ、不急ではあっても女性にとっては「不要」ではないとは思います。

 

ボトックス治療:床屋と同じです。髪なんてしばらく切らなくても外見以外は困りません。でも切れば元通りすっきり。ボトックスを打たないと眉間の彫ったような縦皺が出てきますが、別に外見以外は困りません。でも治療すればすっきり。長期打たなければシワが深くなります。ただ短期に立て続けに治療する必要があるものでもありません。

 

たるみの機器治療:肩こりや腰痛で整体に通うのと同じ(何に重きを置くかは価値観の差なのでお許し下さい)。止めると悪化しますが、命に関わるものではありません。でも継続しないと,加齢と主に進行し、元には戻せません。「急を要する」治療ではないですが「不急」ではありません。定期的な施術を要します。もちろん、あくまで外見を気にする人に限ります。

 

スキンケア治療:基礎化粧品などと同じです。特に女性にとっては不要ではありません。乾燥を防ぐには必要です。ただ毎週のように念入りに通院するかどうかは微妙です。1〜2ヶ月も間隔が空くと肌の状態が悪くなりますので、治療が必要な人も多いと思います。

 

二重まぶた,隆鼻など手術:さすがにこれはたとえるまでもなく。。。。あとからでも結果は同じです。でも生涯不要、ではないと思います。ただ、メディアで言われるように長いダウンタイムが可能だから美容外科クリニックは大繁盛というのはミスリードで悪意ある記事です。

 

なお、ニキビ治療やケロイド治療は中断すると症状が悪化します。命に関わらない限り医療機関に受診するなというのはロックダウンになった時に考えましょう。現状なら症状悪化を防ぐことを考えて良いと思います。

 

美容医療は生死に関わるものではありませんが、求める人にとっては「不要」ではありません。なにより「美容」そのものが悪いのではありませんし、数ヶ月にわたる「不急」なのかどうか、でしょう。それは個人の価値観に左右されます。

 

そのうえでウィルス感染にとってリスクがあるかどうか、それを防ぐための行動様式に合致しないものは自粛しなくてはならないという考えではないかと思います。

 

なお、

当院では来院時の非接触式機器による検温と様々な感染防御態勢のもと通常通り診療をしています。またマスクとゴーグル着用で診療していますことはご容赦下さい。

 

 

 

 

中長期的に見た美容医療とコロナウィルス対策

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前回のブログは多方面から反響があり、患者様からは来院の指標になると言われる事が多いです。今回はもう少し踏み込んだ話を書きたいと思います。再度申し上げますが、あくまで私個人の見解です。基本的な事項については日本美容外科学会の指針に則っています。

 

美容医療は人によって価値観が違うとは思います。不要かどうかの判断は主観です。化粧する人もしない人もいます。外見を気にするかどうか、おそらくこの時期、気にしない方が増えているでしょうし、今後もその傾向は少し残るかもしれません。美容を一生涯不要と考え直す人がいても、その思考を否定するつもりもありません。

しかし当院において今も来院下さる患者様は不要ではないと思うから通院頂いているので、学会等の基準を守り、感染対策をしっかりとして診療をしています。どうぞ気兼ねなくご来院下さい。

 

もちろん1ヵ月など短期的であれば美容は不急です。流石にちょっと控えるべきであろうと考えて当然です。しかし緊急事態宣言が出て1ヵ月を超え、制限ある生活は中長期化するでしょう。美容・化粧品やファッションなどの産業は長期的にも不要であると言う人は少ないのではないかとは思います。国の方針、新しい生活様式に従いながら自身の社会生活、仕事や趣味を再開しないといけないのだろうと考えます。

 

あとは医療機関がどれだけ感染対策をして患者様を受け入れるか,安心して頂くかによるのかなと思います。長期的なビジョンに則った対応と言うべきでしょうか。

現在,当院では来院時の検温、受付ではアクリルの透明防護板で飛沫を防ぎ、ドアや窓の開放で換気を常に行い、職員全員がマスクとゴーグル着用、診察室は患者様一人入るごとに椅子など触れたものを清拭しています。基本的には健常者が対象の美容医療ですが、一般クリニックと同じレベルの防御はしています。

 

では他の国はどうでしょうか。

台湾人医師Peter Pengが感染対策をネットで紹介しています。彼は私の古くからの友人で,今では誰もが知るアジアを代表する美容皮膚科医。医師が多数所属する大きなクリニックを高雄で開設しています。医師としても経営者としても私は足元にも及ばないですが、不思議と仲良くしてもらっています。

具体的な対策についてのビデオはこちら

 

下はキャプチャー画像。

ここでPeterはマスクできるからアグレッシブな治療をするにはベストな時期と言っており、確かに事実ですが、日本ではこれを公言することは憚られます(笑)さすが台湾。

 

 

きちんと対策をして、そのうえで美容医療によって心の安定を得ることを当院では目指そうと思います。

短期では患者様の安全のためある程度自粛は必要だと思います。中長期では、美容とは言え症状が悪化するものもありますし、取り返しがつかないものもあります。口紅などメイク道具との違いはそこにあります。もちろんピュアな美容医療でも、老けてから治療するよりも老けないようメンテナンスも重要です。心理的にも女性から長期に「美容」を奪うことは避けて然るべきです。

 

アフターコロナを考えた診療が考えられるべき時期なのかもしれません。

 

ある種の美容バブルであった時期は過ぎ、美容医療は今後大きく変わるでしょう。

 

 

 

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