美容医療の意義について考える
たるみのコンビネーションリフト手技の現状
新型コロナによる自粛期間中に美容医療を中断していて、治療再開される方が徐々に増えてきました。特にたるみの治療が増加中です。治療予定だったのをキャンセルしたので、緊急事態宣言解除を待って再予約した患者様、たるみは自粛しても進行が止まってくれないので、ここ2ヶ月我慢していたものの、そろそろ限界という患者様などがいらっしゃいますが、なかには自粛中笑うことが少なくなり、顔が怖くなって弛んだという方も。
当院では様々な治療法を組み合わせておこなうコンビネーションリフトをおこなっています。機器、注入、糸から必要なものを選択して同日に組み合わせます。はじめた当初は数ヶ月持続するものを主にと考えていましたが、最近では殆どが8〜12ヵ月持続する治療が主になっています。ただ、ハードな治療法ほどダウンタイム(内出血やかさぶたなどの期間)が生じます。特に糸はその傾向にありますので、少ない本数でヒアルロン酸などと上手く組み合わせて効果増強を図ります。希望により注入と機器のみでということも行います。要はカウンセリングにおいて希望、予算などを聞きつつ、顔立ち・たるみの程度に応じて、いかにベストマッチさせるかという事です。単独治療よりも併用の法が総額でのコストはかなり抑えられますし、バランスも良いので、実施される方が増加中です。
最近では機器による頬引き上げの際に、張りと細かい皺に対する治療としてコラーゲンを増やす注入療法を併用することも多くなっています。従来のエランセではなくレディエッセを用いていて、なかなか良好な結果が得られるようになっています。
コンビネーションリフトは新しい手法を取り込んでいきながら、まだまだ発展していけそうです。
表情筋は大事
新型コロナウィルスの流行はまだ収束はしていませんが、クリニックにいらっしゃる患者様はほぼ元に戻りました(ただ、遠方の方の多くは移動・受診を控えていらっしゃるようです)。先々の予約を取ることはまだ皆さん控えています。先が読み切れない不安があるのではないでしょうかと推測されます。社会活動が戻ると美容医療も完全に元に戻るのかなと思います。
自粛期間中も学会の指針を守りつつ診療は行っていましたので、日々ばたばた働いていました。
学会やセミナーは全てなくなり、海外に行けないのが寂しいですが、土日にstay homeという今まで経験したことのない事態。飛行機や新幹線の中で論文や医学書の執筆をしていた生活が一変。家で執筆するとなかなか集中できず、ついついアルコール摂取。。。。
最近ではWebで学会やセミナーが開催されることも多くなりました。海外の著名な先生方の講演を聴講できるのも楽しみになりました。また私自身も幾つか講演しています。ただ、海外の講演もwebで済んでしまい、旅行出張に行けないのが残念です。。。。
先日は企業のwebセミナーではありましたが、講演会場に行きました。無観客試合のような静かな雰囲気のなかで講演。
さて、本題。
人間には表情筋があり、喜怒哀楽を表現します。表情筋が発達するほど集団での高度な役割分担と階級が生じるとされています。微妙な表情を読み取り集団内での行動を選択するそうです。腕力だけではなく表情、感情をコントロールし、他者とのコミュニケーションを上手く取ることで異性に気に入られたり、社会で出世していきます。動物の中でも知能が高いチンパンジーなどは表情筋が発達しています。他の動物のような牙を剥く威嚇だけではなく様々な表情を作り集団で生活します。このことで高度なコミュニケーションが取れるようになるのです。犬においても人との生活をしていく中で狼と異なり目の周りの表情筋が発達して、人に対して親しさを感じさせる,可愛い仕草が可能となったと言われています。
顔の表情は人とのコミュニケーションの上で生まれるものであり、今回のようにコロナウィルスの流行によってマスクが必須となると口もとなどの表情は乏しくなります。そもそも表情筋が発達するほどに、それが分かるように顔の毛がなくなっていったという説もあるくらいです。マスクで顔に蓋すると表情筋は不要になるのかもしれません。口もとが弛緩すれば、たるみへと繋がります。
最近、マスクをしていたせいか笑わなくなって、たるみが目立つという患者様が多くなっています。マスクの下でも表情を忘れずに。
たるみ治療と輪郭修正の違い
気がつけば1ヵ月もブログを放置していました。
仕事が終わったら早めに帰宅するという行動変化もあって、ついついブログに手をつけずに経過してしまいました。
さて、最近若い方でたるみを気にして受診される人が多くなりました。10代〜20代前半でたるみが酷いと受診する人もいます。
機器による治療では若い人に対しては本来の効果を発揮することは出来ません。これは当たり前ですが、たるんでいないからです。
たるみとは加齢によって皮膚が薄くなり、筋膜や靱帯が緩み、また脂肪の萎縮や下垂、骨の萎縮などと相まって生じるものです。サーマクールやHIFU(ウルセラなど)は皮膚や筋膜を熱で損傷させ、傷が治る力を利用してremodeling、つまり新しいコラーゲンなどを産生させて作り替えるものです。
極論を言うとティーンエージャーに照射しても顔が引き上がることなどありません。出来上がるコラーゲンはもともとあるコラーゲンより質の悪いものでしょう。加齢に対してネガティブなことをしているのです。10〜20代前半にたるみ治療は不要です。
しかし最近20代前半でもHIFU治療を受けたという人も結構いらっしゃいます。話を聞くと大抵は直後や1ヵ月程度の効果があったので効いたとおっしゃいます。一時的には腫れるなど変化を感じますが、それで良いのでしょうか。医師側もビジネスばかりで、希望すれば照射するという診療が本当に良いと考えているのでしょうか。
10代や20代前半でたるんでいるということはありません。これらを理解の上で受けるのであれば否定はしませんが、長期的にはマイナスの面もあることを知っておくべきでしょう。
ではなぜ「たるんでいる」と感じるのか、これは元々の輪郭です。人は成長するにつれて「大人の顔立ち」になります。その顔がたるんで見えているだけです。中学生から高校生頃には「子供顔」の特徴である頬の大きな膨らみが徐々にすっきりしてきます。相対的に顎のラインが膨らんで見えてくる人もいます。でもこれは下垂してたるんだ顔ではなく、そういう顔立ちです。たるんで見えるだけであって,決してたるんでいるわけではありません。皮膚の構造も若いですし、骨や脂肪が萎縮もしていません。顔立ちの変化はたるみ治療機器では改善しないのです。
糸で強引に引き上げることも出来ますが、本来の靱帯などの構造より過矯正となるので効果が持続しません。
脂肪を減らす・注入するなど立体的形状を整える治療が妥当です。
もうひとつ、最近多くなったのが歯科矯正や顔の骨切り手術後のたるみです。これは厳密にはたるみではありません。顔の硬組織である骨の形状が変われば、皮膚や皮下脂肪がその動きに追随せずに下がってしまうこともあります。靱帯の位置が変わって緩んでしまうこともあります。かみ合わせが変われば顔立ちは変わります。これがたるんだ顔と同じ印象を与えます。しかし皮膚は緩んでいませんし、老化もしていません。
このような場合も、たるみの各種治療はあまり有効ではなく、糸による引き上げも効果持続が短い傾向にあります。
たるみと輪郭・顔立ちは区別して治療をする必要があります。
見た目の若返りの原則:「美しく」と「若く」
コロナ感染者数増加の状況ですが、クリニックの予約は最近混雑してきて、患者様にはご迷惑をおかけしております。
今はたるみ治療が増えてきています。様々な社会的制限があるせいか顔に表情がなくなり、たるんできたと仰る方が多いようです。
私自身も講演活動はリアルなものはほぼなくなり、ウェブ開催ばかりです。来月は国際的な会で講演しますが、これも全てウェブ開催となっています。
ADACという最近始まった学会で、完全なる美容系の会です。
興味があれば是非登録を。
マレーシアやタイなどで開催されています。アジア人らしい美容を追求する会です。昨年はスケジュールが合わずお誘いを断りましたが、今回はアジア人への美容の原則というテーマで発表させて頂きます。TVショーのようになるからね、ということで「プロデューサー」のDr. Lowから色々と指示を頂き、収録に励んでいます。
シェアしろと学会事務局から連絡あり、恥ずかしながら、私がどや顔で載っています。
秋以降も海外で幾つか依頼があるのですが、たぶんウェブ開催か中止になるだろうなという感じです。国内は少人数でウェブとハイブリッド開催など、そろそろ学会も動き出しています。
さて、ADACで講演予定ですが、美しくなりたいと希望された場合に、それがどういう意味なのかを理解する必要があります。若い人であれば、顔のプロポーションを整えたり、鼻を高くしたり二重にしたりと様々な美の原則に則った治療(外科的なものが多い)をします。しかし加齢とともに変化してきた顔貌を綺麗にという場合には、一重の人が二重になりたいという希望は少なく、あくまで若い頃に少し戻りたいというニュアンスで希望される方が殆どです。顔の左右差を無理に一致させようとしたり、美の基準である黄金比に則ったバランスを取る必要はありません。あくまで若く見えるためにはどうすれば良いのかを考え、加齢性変化を上手く修復していくことが基本となります。
美しくなる事と若くなる事は近い部分もありますが、一致するものでもありません。
顔貌自体が変わってしまったら,それが例え美人の顔であっても本人や周囲の人は違和感を持つ、そうなって良いのか、いけないのか。「見た目の若返り」の治療はその点を重視しなくてはいけません。特に日本人は人知れず綺麗になりたい願望が強いので、大胆な治療を避ける傾向にあります。テレビなどで注入しすぎで変貌してしまった顔を見ると,注入なんて怖い,ああなるのが嫌だから機械で治療してほしい、そう思われてしまいます。そうではない、ナチュラルに仕上げるからというだけではなく、数歳若くなるように仕上げるというニュアンスを上手く伝えて必要な治療をおこなう必要があるのです。
さて、私が編集者となって書き上げた書籍が長らくアマゾンで品切れになっていました。コロナの影響なのか何か不明ですが、やっと販売再開となりました。
医師向け書籍です。同業の皆様、宜しくお願いします。
高性能スキャナーによるレーザー照射〜新しいたるみ治療〜
当院に必要な治療機器かどうか
第63回日本形成外科学会 in 名古屋
昨日までの2日間、クリニックを休診にさせて頂き、名古屋で開催された第63回日本形成外科学会学術集会(会長:名古屋大学亀井譲先生)に出席してきました。
久々のリアルな学会。ここ最近は国内外ともにほぼweb開催だったので、それはそれで便利だったのですが、生の情報交換が出来ないことは大きな問題でした。今回同業の先生方と色々と話して、機器の使用感や評価、新機種の情報などを得ることが出来ました。そして企業の新商品などの情報も。面白いものも幾つかあったので,試すことにしました。
さて、今回の私の仕事はランチョンセミナー、たった一つだけでした。2つの予定でしたが諸般の事情で1つだけ。
当院で新しく導入したムービング式(痛みの少ない)HIFUリフテラVについての講演です。ただ、それだけでは1時間話せないので、主にはたるみのメカニズムを解剖学的見地から解説し、機器がどのように作用していくのかについて概説をしました。若い先生方には役に立てたのではないかと思っています。来月の美容皮膚科学会でも,同じような話しをする予定です。
今回の学会、ハイブリッド形式ということで現地参加だけではなくウェブでの参加も可能でした。職場にいながら一部の講演は聴講できるのです。そして講演・発表自体も録画での参加とされている医師も多く、活発な議論がないセッションもありました。地方の病院などでは学会参加は医師に禁じているところもあるそうです。
そのため会場はガラガラ。。。。
十分なソーシャルディスタンスが取れました。
まだまだ新型コロナウィルスの影響は大きそうです。
夜は名古屋で開業のドクターと男飲み。旨い酒と肴を堪能。
最近は徐々にセミナーや学会も開催されていますが、殆どがwebやハイブリッドです。他人との接触はほぼありません。悲しいような微妙な感じです。こんな国内セミナーも引き受けています。
他にも今月来月で、国外ではマレーシアと台湾の学会で講演予定。これはそれぞれ完全なwebと録画。何もなければ行けるはずだったのに。。。。
新しいフラクショナル炭酸ガスレーザー導入
第38回日本美容皮膚科学会 in 東京
週末は東京で開催された第38回日本美容皮膚科学会に参加してきました。会頭は日本医大皮膚科の船坂陽子教授。
現地で講演・聴講とネット上とを併用するハイブリッド開催。感染対策です。今や学会のスタンダードになりました。私は講演があったので現地参加。
今回は4つの講演でした。まずはランチョンセミナーでピコ秒レーザー、ピコウェイについて。講演は高須クリニックの高須英津子先生(複合機eplusについて)とご一緒でした。
こんな感じでアクリル板で遮られ、講演。感染対策バッチリです。
まずは無難に最初の講演を済ませて、休む間もなく教育講演。部分痩身機器について。冷却からレーザー、ラジオ波、ハイフ、マイクロ波から磁場機器に至るまで理論を主にお話ししました。
そして聞きたかったというより、どうしても聞かなければならない事情のあった一般演題を聞いた後はそのままスイーツセミナー講演。たるみの解剖学的最新知見と今話題のハイフHIFUの理論、臨床について。立ち見まで出て、せっかくのスイーツセミナーなのに聴衆へのスイーツも足りなくなったようです。この講演は評価も高く嬉しかったです。
第一日目の学会のお役目はこれにて終了。そのまま移動してヒアルロン酸注射の指導医のお仕事。都内のクリニックで実施。ドクター対象で少量で結果を出す注入法のトレーニングをさせていただきました。
この日はハードなスケジュールでした。
そして翌日はお勉強。肝斑へのレーザートーニングについて大学所属の先生方による論文ベースの素晴らしい報告。大変勉強になりました。実は今度医学雑誌にて肝斑特集号の編集を任されているので、講師や聴講されていた有名どころの先生方にこれ幸いと執筆依頼を(笑)
最後にも仕事あり、日本皮膚科学会の美容皮膚科・レーザー指導専門医の研修会講師を。
私は形成外科専門医。皮膚科系のお仕事を沢山頂くのは本当に光栄です。国内で美容外科、形成外科、レーザー医学、そして皮膚科と幅広く学会活動をするのは忙しくもあり、また嬉しくもあります。まだまだ若手のつもりが、50代半ばともなると教授の方が年下だったりと、そろそろガムシャラな働き方は控えていかないとなとは思いますが、美容医療の求道者としての生き方は大事にしていきたいです。
レーザートーニングの功罪
最近、レーザートーニングをしてほしいと来院する患者様が増えています。
トーニング治療をするとシミやくすみが綺麗に取れるし、かさぶたも殆どできないと聞いたという事を仰います。
しかし魔法のような治療法ではありません。そもそもは肝斑というレーザー治療が難しいシミの一種に対してタイのNiwat Polnikorn先生が考案された手法で、今ではアジア中で広くおこなわれています。我が国でも広く普及していますが、大きな問題も起こっています。夢の治療のように宣伝し、商業的に適応を考えずに頻繁に照射をおこなっていくクリニックが一部にあり、トラブルを起こしています。色素が抜けすぎてしまう例や肝斑悪化例など。
どのような治療でも副作用・合併症はあり、色素が抜けることがあるから間違った治療法というわけではありません。ヒアルロン酸でも皮膚が壊死することはありますが、危険だから注射は駄目ということはありません。治療そのものが悪である場合は別ですが、このようなトラブルを起こさないよう施術者は勉強をして研鑽をするべきなのです。手法によって回避できるのであれば(もちろんゼロということはないでしょうが)、用いても良い手法になります。
今問題になっているのは、肝斑でもない人、殆どシミのないような若い人に対してまともな診断もせず、トーニング治療を宣伝して何でもかんでも実施してしまう、そのあげくにトラブルを生じているようなケースです。
確かにトーニングはシミなどを含めた一通りの肌のメラニン系の異常に対して有効であり、多発するシミなどが薄くなることもあります。私自身はピコトリプルと称してピコ秒レーザーの治療法の中に組み込んでいます。また肝斑に関しても効果を発揮します。
しかしながら、商業的な治療ではトラブルも生じます。適応をしっかりと見極め、治療の優先順位(内服や外用など)を考え、治療間隔を守り、適切な出力で正しく照射する、これを守ってこそのトーニング治療です。
私はレーザートーニング賛成派かつ慎重派です。昨今のあまりに商業主義的な照射には警鐘を鳴らさなければいけないと思います。
「正しいレーザートーニング治療を普及させる会」でも結成しようかな。
第20回抗加齢医学会 in 浜松町
先週末は第20回抗加齢医学会総会(会長 順天堂大学循環器内科南野徹教授)に参加、講演してきました。
例年は様々な科の医師、医療関係者が参加し,盛大なこの学会もほぼウェブ中心のハイブリッド開催。現地はガランとしていました。
私はランチョンセミナーで講演を依頼されており、fotona社の最新たるみ治療Tランナー(ロボテックリフト)及び従来からのスムースリフト(口腔内粘膜照射)の組み合わせによる、ノーダウンタイムのたるみ治療について講演をさせて頂きました。
アクリル板に遮られ、何となく微妙な違和感ある講演でした。何度しても慣れないです。
さて、Tランナーは秀逸で、精密に制御されたスキャナーによって、今までのフォトナの粘膜照射用ハンドピースでは不可能であった皮膚表面へのダイレクトな熱作用と引き締め効果が得られます。今回の講演では実際にどのくらいの深さまで熱が到達しているのかなどを低温で変性しやすいマグロ肉(!)を用いて詳細に解析したデータを供覧しました。最適な設定を見つけるだけではなく、なぜTランナーが本命なのか、理解頂けたかなと思います。
もう少ししたら一般向けに治療を開始します。これが完成して初めて当院のホームページにフォトナのリフト施術が掲載されますので、もう少しお待ちください。
現地では防衛医大の先輩後輩が聴講してくれました。
右から青木晃先生、私、福本光樹先生。
セミナーが終わり、遅いランチを浜松町の世界貿易センタービルにある東京會舘にて。素晴らしい展望のこの浜松町店は再開発のため今年一杯で閉店だそうです。
舌平目の洋酒蒸ボンファム。伝統的なフレンチ、今となってはむしろ新鮮かも。丁寧な仕事で、やっぱり美味しいです。
今回ランチョンセミナーで一緒に講演した滿行みどり先生と。
さて、この週末は台北で台湾レーザー医学会が開催されました(LMSTW)。理事長であるPeter Pen先生は旧知の仲であり、今回3つの講演を依頼されていました。瘢痕のレーザー治療、たるみ治療のコンビネーションリフト、肝斑のレーザー治療についてです。現地開催なので、今回は行けないなと思っていたら、pre-recordingでプレゼンテーションを送付しろということになり、英語で一生懸命録音。。。。
まあ一応業績にはなるので、有り難いです。
改めて自分の講演を冷静に聞くと英語の下手さに愕然。思わぬ収穫というか、もっとしっかり英語勉強しようと思った次第でした。この歳になってもまだまだ学ぶことは多すぎて、自分自身のレベルの低さ伸びしろを自覚。日々勉強です。
友人である台湾の林政賢先生から,当日の模様が写真で送られてきました。
早く海外に行きたいものです。もちろん仕事で(笑)
第29回日本形成外科学会基礎学術集会に出席
最近、秋の学会シーズンです。ずっとweb開催だったものが、国内は徐々にリアルな学会になりつつあります。ただし、やはりハイブリッド形式で、会場とwebの両方を使う形式です。
昨日は第29回日本形成外科学会基礎学術集会(会長 横浜市立大学形成外科前川二郎教授)に参加しました。
場所はパシフィコ横浜ノース。本当にノース。雨の中、端にある会場まで歩くには遠い。。。。
基礎学術集会は、研究主体の学会です。私も大学病院勤務時代は細胞培養したり組織学的データを取ったりして、初期の頃の学会には勇んで参加したものです。しかし今となっては基礎研究は縁がなく、たまにレーザー関連で呼ばれて行くくらいでした。
今回は美容の臨床的なセッションがスポンサードで複数開催され、大盛況。もちろん少し研究寄りの難しい話を盛り込みつつの内容で、いつもよりも学術的で大変面白かったです。私は2つのシンポジウムで座長を務めさせて頂きました。
なぜか調子に乗ってピースを。威厳も何もなし。。。。
お隣はいつも皮膚科の基礎知識を御教授して下さる藤田医科大学ばんたね病院皮膚科の秋田浩孝先生。
シンポジウムは2つ。一つは老人性色素斑と肝斑の治療、もう一つはピコ秒レーザーと他の治療機器との相違点についてでした。
2つのシンポジウムは連続しており、3時間半ほどの長丁場でしたが、飽きる事なく、(トイレに行く暇もなく)、私の拙い進行でも盛り上がりました。
もちろん私も1つ講演させていただきました。
ピコ秒レーザーは本当に優れた治療機器なのかというテーマで、欠点まで含めて話をしました。
昨今レーザートーニングの商業的な流行やピコ秒レーザーの魔法のような宣伝が甚だしく、きちんと議論する必要があるかなとも感じていたのですが、基礎学術らしくややマニアックに走り過ぎて、ちょっと討論時間が足りなかったかな。
(医師向け)Candela APAC Virtual Expert Summitのお誘い
今回は同業医師向けのブログです。
11月7〜8日にWebにてレーザーメーカーのCandela社50周年を記念したAPAC Virtual Expert Summitが開催されます。
アジア太平洋地区の著名なドクターが多数講演するウェブセミナーです。メラニン色素性疾患、血管腫、ざ瘡瘢痕などのテーマの他、美容医療の今後についての討論などもあります。
英語での講演ですが、今回は日本語同時通訳もあります(韓国語や中国語もあり)。
私も末席に加えて頂き、講演をします。「じゃぱにーずいんぐりっしゅ」で。
既に900名ほどの申込があるそうですが、日本の参加者はまだまだ少なく、メーカーから皆さんにお知らせするよう依頼されました(笑)
特にキャンデラユーザーの皆さん、日々の臨床に役立つ話しだと思います。
参加希望者はここをクリック。無料です。
この企画のため、今日の昼休みも英語でオンライン会議。新しいプラットフォームのシステムで、慣れるまでが大変。その前に英語が大変。。。。
最近はオンラインで海外の友人医師と会えることも多く、それこそが今流行りの「新しい日常」なのかなと思っています。でもやっぱりリアルに会って色々討論したり、お酒を飲み交わしたりしたいものです。
表情筋をtuning:マッスルチューニング
先日、当院に新しい機器が導入されました。以前お伝えした特殊なスキャナーのTランナーの前に、Legend Proという機器がやって来ました。
この機器は10年ほど前に日本に導入されたMaximus(日本名SMASアップ)の後継機種です。何を目的に導入をしたかというと、筋肉の力を調節する、muscle-tuningのためです。
筋肉の調節というとボトックスを思い浮かべるかもしれません。そもそも表情筋は加齢によって硬直、緊張が高まったり、弛緩、脆弱化したりと変化していきます。ボトックスはその筋肉の力を調節し、綱引きのように相反する筋肉のバランスを取るものです。但し薬理的な作用は筋弛緩です。
一方で、この機器はEMSのように筋肉を収縮しますが、DMA (Dynamic Muscle Activation)により特定の筋肉を狙ってかつ強くしっかり収縮させることができ、また最適な深度や出力、収縮速度などを選択することによって加齢で硬直したり弛緩した部分を「tuning」して最適な状態に戻します。それゆえ直後は非常に効果を自覚しやすく、徐々に筋は元に戻ろうとしますが、繰り返し施術をしていくことで本来のバランスが取れていくと考えられます。まさにチューニングです。
合わせて高周波RFも照射されるのでテノール様の効果も得られます(単独ではテノールに劣ります)。
看護師による施術を予定しており、現在最適な設定の決定と安定した結果を出すべく研修中です。治療費もスキンケア治療の延長で設定できそうです。
筋肉のバランスをチューニングするという考え、今までにない機器治療として当院で面白い位置づけとなりそうです。
もうすぐ治療開始です。
ピコ秒レーザーの新型ハンドピース講演
週末は講演活動。
夕食も業者にご配慮頂き、個室にて寿司。ししゃもの刺身!や、たち(鱈の白子)、毛蟹などを堪能しました。
モニター募集
1日で応募者が30名を超えたため、一旦募集を打ち切りました。
たるみ治療機器の学術モニターを募集します。
2つの機器について。
1つめはTランナー。Er:YAGという水分への吸収が最強の波長となるレーザーを、ロボテックスキャナーというコンピューターで制御して表面のヤケドを作らないよう照射するシステムを用いて,顔面の皮膚表面のたるみを改善する手法です。現在実施しているスムースリフト(口腔内粘膜照射)に併用できる装置です。スムースリフト併用と、Tランナー単独照射と2とおりのモニター照射をおこないます。麻酔塗布にて皮膚表面の照射は痛みは軽度です。ダウンタイムは数時間の赤み。粘膜照射をおこなう場合は、軽い口内炎が数日続きます(食事などは問題ないです)。1ヵ月ごと2回程度施術します。
もうひとつはシークレットとなり、モニターが決まったらきちんとお伝えしますが、HIFU(ウルセラなど)のような皮膚内部を焼灼する機器です。高齢者のたるみや、細かい皺などに有効です。皮膚内のコラーゲンをしっかりと作り出します。ダウンタイムはありません。麻酔塗布で実施をします、少し痛みは伴います。
今回はある程度弛んだ人が対象となりますので、年齢制限があり、45歳以上です(55歳以上を優先)。
当院受診歴かつ何らかの治療歴のある人が対象です。
以前来院の際にお撮りした顔写真を参考に選考します。
ご希望の方は当院の無料相談フォームから応募下さい。
その際は質問事項の部分に、お名前と診察券番号を御記載下さい。
実際の施術は今月後半から来月初旬の,全て14時頃からになります。洗顔・麻酔塗布のため13時頃来院となります。
モニター条件として
Tランナーは施術が1ヵ月ごとで2回、シークレット機器は1回です。
施術前後、1ヵ月後の写真を撮影します。
施術時に預かり金として5万円頂きます。最終施術後1ヵ月の写真撮影での来院にて、これを返却します。
写真は学会等で使用します(目隠しなどプライアシー保護の上)。
新しい機器のため、ヤケドなど不測のトラブルを生じる可能性があります。
モニター期間中は他のたるみ治療は禁止となります。
募集数はそれぞれ4〜5名となります。
ブログ御無沙汰です
ブログ更新が滞りがちで、患者様から指摘されるようになってきました。。。。
現在の予約状況が過密なこと、仕事関係の執筆が書いても書いても終わらないほど多数あること、講演がwebで気楽すぎるくらいに依頼が舞い込むこと、美容皮膚科を代表する書籍の編集担当になって企画中等々、言い訳は沢山あるのですが、、、、そろそろ心を入れ替えて更新します。
さて、日曜日は某社のハイブリッドセミナーで講演。
大御所達との競演でした。
レーザー機器の理論と臨床について、特定メーカーの話しではなく広く浅く,医師の知識の再確認のための基礎からアップデートな話しまでをさせて頂きました。
短い時間に全てを詰め込んだため、ちょっと話しはぐちゃぐちゃになってしまいました。
講演の後は座談会形式のシンポジウムで現在の美容医療の現況や問題点などを討論。本音を語ったり、なかなか盛り上がりました。
このシンポジウム、演者5名中3名が防衛医大卒という,何とも感慨深いものでした(形成外科2名、内科1名)。
防衛医大というと美容の世界と無縁のように感じるかもしれませんが、もちろん現在の仕事がたまたま美容であるだけで、戦傷医療や健康管理が主たる自衛隊の医療においては、その行き着く先が美容医療でもあります(ちょっとこじつけか?)。
以前に形成外科学会でも戦傷医療について防衛医大の後輩が発表していましたが、米国も含めて戦傷医療では外傷性の組織欠損を修復したり,顔面の外傷性変形を整復したりと形成外科の発展と戦争は大きな関わりがあったのです。特に顔面の変形修正には美容外科のテクニックにほぼ等しいものが多数ありました。
そして私自身、大学を卒業して形成外科医として働いていた頃は美容分野に進む気は全くなく、防衛省に奉公した後に退職、市中病院形成外科医として勤務していた頃に再建治療の一環として美容医療を勉強していた時に恩師と出会い、魅力を感じてこの道に入ったのでした。
それから思えば長い年月が経ち、自身が自衛隊医官であったことなど忘れていることが殆どですが、今でも身についた精神や所作は財産でもあり、宴会のネタでもあります(笑)。
さて、今は溜まりに溜まった執筆と発表準備に明け暮れています。
今月は韓国の複数の学会から3つ講演依頼があり、パワーポイントでプレゼンを作って講演を録画。今までなら実際に現地に行って、講演終了後はアジアから集まった友人医師達と酒を飲み盛り上がるはず、ですが、今回は録画を送付したら、それっきり。質問は後でメールで送られるような感じです。執筆は先月4つ、今月2つが〆切なので売れっ子作家のように書いています。コロナの影響で、仕事が増えた気がしてならないこの頃です。
皮膚の張力と老化
今回は開業医の空想です。研究者が読んだら間違ってるよと言われるかもしれませんが、さらっと流してください。
韓国での講演。相変わらずウェブで。
今年もあと10日ほどとなりました。
診療が大変混み合い、ご迷惑をおかけしております。例年以上の予約を頂き、何とか皆様のご希望に応えるべく対応はしていますが、限界もあり、初診は来年3月以降のご予約となっております。再診は現状では2月のご予約ですが、1月でもお電話で対応可能な場合もあります。当日や前日キャンセルは毎日少しずつありますので、お急ぎの方はお電話下さい。
先週は韓国で開催された学会2つにバーチャルで参加しました。
一つはKALDAT(韓国レーザー皮膚毛髪学会)です。Alma lasers社のテノール(Accent)について当院における使用法やコンセプトなどをお話しさせて頂きました。
このテノール、非常に好評でリピーターの多いアンチエイジング治療です。10年以上の使用経験がありますが、同様の効果を出せる機器が今でも登場していません。施術中の痛みがなく、緩やかに肌や皮下脂肪の質を変えていき、たるみに対して良い状態を維持する高周波機器ですが、他の高周波機器と機構上何が違うのか、工学的な面も含めて解説をしました。
もう一つはKorea Derma 2020。韓国最大の美容系の皮膚科学会です。日本美容皮膚科学会とも提携をしているインターナショナルな大規模学会。昨年はソウルで開催され参加をしてきましたが、今年は韓国人向けにはリアルで、海外向けにはウェブ上での学会となりました。2つほど講演をさせて頂きました。
ピコ秒レーザーの新しいハンドピースについての解説と、各種高周波機器の理論的な相違についてです。
ピコ秒レーザーの講演は、当院で実施している全顔治療のピコトリプルの新手法についてであり、やっとアジア全体で販売になったばかりです。当院ではプロトタイプを用いて既にかなりの症例を経験しているのですが、患者満足度も高く、非常に優れていると思っています。かさぶたや発赤などの比較では従来の機器よりも遙かに楽で、徐々に顔全体のシミなどを改善していくのですが、そのメカニズム等を解説しました。
高周波の講演では、サーマクールやテノール等の機器の違いをジュール熱や誘電加熱の原理及び機器の内部機構の話しまで交えつつ詳細に説明しました。
そろそろ来年の国際的学会も講演のお誘いを受けていますが、やはりウェブが殆ど。平常通りになるのはまだまだ時間がかかりそうです。