美容皮膚科学会と創傷外科学会参加、そしてお二人の大御所と。

先週は金曜を休診にさせて頂き、２つの学会に参加してきました。
まず金曜は日本創傷外科学会。形成外科学会の関連学会です。

今回は埼玉医大形成外科の中塚貴志教授が会長のもと、東京ドームホテルで開催されました。
私のメインの専門は美容医療ですが、サブとしては創傷外科で、その中でも瘢痕・傷跡に関する分野です。医学博士はケロイドの細胞増殖活性に関連した研究で取得しましたし、レーザーによる治療も多々おこなっています（今月も一つ、私の執筆した論文が出たばかりです）。創傷外科学会専門医でもあります。
この学会では美容関連のドクターを見かけることはまずありません。しかし実は美容医療につながるヒントが沢山ありますので、基礎研究を含めてできるだけ拝聴するようにしています。
そしてその日の夕方には大阪へ。

大阪でご開業されているレーザー医療業界の第一人者、葛西健一郎先生のクリニックにお邪魔しました。


クリニック見学の後は、美味しいお食事をご馳走になりました。感謝感激です。
葛西先生は、皮膚形成外科分野のレーザー治療が一般的になる前から数多くの治療を実践され、沢山の成書を執筆されており、私がこの業界に入った時から常に目標にしている先生です。
持論を持ってぶれることなく診療をしているスタイルが素晴らしく、「葛西理論」は一つのブランドです。膨大な経験をもとに体系づけられたレーザー治療のお話し、してはいけないこと、ビジネスや医師としてのあり方など、沢山のためになるお話しを伺いました。それらに関して、ご相談までさせて頂き、本当に有り難うございました。


さて、翌朝からは日本美容皮膚科学会に参加です。


今回は近畿大学皮膚科教授の川田暁先生が会長でした。
川田暁先生は、私が学生･研修医の時に防衛医大の皮膚科講師でしたので、色々とご指導頂きました。研修医の時には皮膚科もローテーションさせて頂いたので、皮膚病理などを教わったのを思い出します。

本学会では、３つの講演（ランチョンｘ２･イブニング）をさせて頂きました。
新型テノール、光治療複合機ＩＣＯＮ、高性能スキャナ付き炭酸ガスレーザーAcuPalseについてです。
テノールは先週の研究会でも講演したので、新しいアップデートはありませんが、他の２つに関しては久々ということもあり、気合いを入れたプレゼンを作りました。何しろ理論をきちんと解説し、それを踏まえて、他社と比較して優れている点、特徴などについてお話をしました。機器は理論が分かれば、必ずその有用点が分かります。本当に必要な機器なのか、いやむしろ必要なのになぜ購入しないのか、それを考えてもらえるよう、内容を練って発表となりました。まあまあ笑いも取れたし良かったかな？



さて学会初日は沢山のドクターと一緒にお食事会。その後はさらに多くのドクターが合流して二次会へと流れました。深夜まで飲んで歌って。。。。

２日目は自身の講演に加え、旧知のDr. Seoが韓国から来日して特別講演するとのことで拝聴。相変わらず頭脳明晰で綺麗なプレゼンテーションでした。
実は秋にソウルで開催される国際皮膚外科学会でのシンポジストを依頼されていたのですが、行事が重なりお断りしており、彼が韓国でのsecretaryだったとのこと、お詫びもしておきました。。。。

私もそろそろ学会講演は数を減らさないと、もうバッティング続きです。全部依頼を受けていたら年間５０以上になってしまいます。
美容医療に対して打ち込む姿勢は変えたくありませんが、そろそろ講演を絞っていかないといけません。
若手が活躍してくれることを望んでいますが、なかなか台頭してくれません。
そんななか、今回の学会では、私が開発に関与したレーザーについて発表頂いた女子医大付属青山女性医療研究所の田中志保先生のプレゼン力、データ解析は素晴らしく、そればかりでなく他の演題を今回も沢山精力的に出されていました。
ちょうど今、そのような世代交代の始まりなのかもしれません。

そう、世代と言えば、私の少し上の世代の偉大なドクターのお一人が久保田潤一郎先生。



学会の前日となる木曜夜にご一緒させて頂きました。葛西先生と並ぶレーザー医療業界の重鎮です。幸いにして２日続けてこのような方々とお酒を飲み、色々な話しをさせて頂きました。
レーザーの昔を知り、今も経験豊富な先人のアドバイスは何事にも代えられないものです。ものの考え方、仕事の姿勢などもちろん皆様個々に異なりますが、大変勉強になります。