昨日は最新機器のセミナーで講演。
上まぶたを主としたたるみの治療器プレクサーについての医師向けセミナーでした。
![Plexr]()
この機器はイタリア製で数年前から南ヨーロッパでは相当数が販売され、評価を得ているものです。昨年に個人的に親しくしている海外の業者さんから、アジアにおいて今後大きく展開していくので使ってほしいと依頼され、長期間テストをおこない、最近当院モニターさんでの施術もおこなうようになりました。
結果も出るようになり、やっとお披露目です。
エネルギーはプラズマを用います。国際特許を取っているそうですが、他機種と比較して大気中でもかなりしっかりとプラズマが出ます。プラズマは深部に到達せず、レーザーのような光熱作用を介さずに組織ダメージを与えます。難しい話になるのですが、レーザーや高周波との最大の違いがここにあります。これこそが今回のプラズマ機器のキーポイントです(専門家にとっては簡単な話ですが、一般の人には分かりにくいと思いますゆえ、理論は省きます)。純粋なプラズマではない部分もあり、それもまたこの機器の有効性を高めているのが面白いところです。
よって上まぶたのような眼球が下に存在する部位においても、保護することなく照射が可能です。またプラズマ特有の蒸散作用によって、高密度にかつ安全に皮膚を破壊していきます。破壊された、つまり多数、微小に欠損した皮膚は治癒過程において収縮し、たるみを改善します。ただ、深くまでは到達しないために、上まぶたが治療の中心となります。他には眉間や鼻根のシワ、下まぶたや口唇周囲なども効果的とのことですが、まだ当院では上まぶたを治療してデータを得たばかりです。ハンドピースはエネルギーごとに3種類あり、ニキビやケロイド・隆起性の傷跡に効果的なものもあります。
コンセプトは面白く、最初は治療で二重まぶたが綺麗になるという触れ込みだったのですが、皮膚の薄い白人と異なり、アジア人ではなかなかそこまでの効果を得ることはできません。それに一重を二重にするというものではなく、加齢でたるんできた二重をしっかりと作り直すというものでしたが、誤った認識を受けることもありました。もちろん皮膚のみを収縮させるので眼瞼下垂には無効です。
実際の効果は手術によるたるみ取りに及ぶわけもなく、少し目がくっきりとする、たるみが軽減するというもので、施術を受けた方の意見では、他人から目がぱっちりしたと言われる、アイラインが引きやすくなった、二重の食い込みが若い頃のようになった、などなど、やはり皮膚が縮んでたるみが軽減した印象を与えます。
今まで上まぶたは手術以外ではあまり効果を得ることはありませんでした。もちろん手術が受け入れられる患者様であれば第一に手術を勧めますし、当院では相変わらずまぶたの手術はそれなりの症例おこなっています。
ただ、どうしてもまぶたに切開線を作る、傷跡や手術に拒否反応のある患者様には、効果は劣るものの、やっと選択肢ができたかなという印象です。もちろん従来もマドンナリフト、サーマクールアイなど様々な手法が試みられましたが、それらと比較して、高密度で広範囲、はっきりと皮膚を収縮させることのできるプレクサーは、理論上も実感も、効果としては上々であると思います。
昨日のセミナー後も多数も注文が入ったようで、業者さんは喜んでいました(もちろん私には何のマージンも入りませんが。。。。)。
但し、欠点はダウンタイム、つまりかさぶたが生じる期間があることです。1週間程度のかさぶたが残り、特に最初の3日程度は目立ちます。
![直後]()
治療回数は1ヶ月以上空けて3回が目安です。持続期間は、当院ではまだ長期例がないのですが、海外の情報ですと1年程度とのことです。
![症例]()
![症例2]()
2例とも上が施術前、下が2回施術後。二重がしっかりしているのが分かります。
当院では他にレガートという高周波プラズマ機器もあります。これは広範囲を高周波&プラズマのコンビで照射し、プラズマの効果もさることながら薬剤を導入する高圧超音波機器の相互作用で、全く別の適応に用いていますので混同しないで頂ければと思います。
プラズマは理論が非常に難しく、様々な現象論を理解しないといけない部分もあります。私自身、某大学の工学部とプラズマによる薬剤導入の研究などもしてきましたが、その知識を生かしつつ、今後もプラズマには注目していこうと思います。
上まぶたを主としたたるみの治療器プレクサーについての医師向けセミナーでした。

この機器はイタリア製で数年前から南ヨーロッパでは相当数が販売され、評価を得ているものです。昨年に個人的に親しくしている海外の業者さんから、アジアにおいて今後大きく展開していくので使ってほしいと依頼され、長期間テストをおこない、最近当院モニターさんでの施術もおこなうようになりました。
結果も出るようになり、やっとお披露目です。
エネルギーはプラズマを用います。国際特許を取っているそうですが、他機種と比較して大気中でもかなりしっかりとプラズマが出ます。プラズマは深部に到達せず、レーザーのような光熱作用を介さずに組織ダメージを与えます。難しい話になるのですが、レーザーや高周波との最大の違いがここにあります。これこそが今回のプラズマ機器のキーポイントです(専門家にとっては簡単な話ですが、一般の人には分かりにくいと思いますゆえ、理論は省きます)。純粋なプラズマではない部分もあり、それもまたこの機器の有効性を高めているのが面白いところです。
よって上まぶたのような眼球が下に存在する部位においても、保護することなく照射が可能です。またプラズマ特有の蒸散作用によって、高密度にかつ安全に皮膚を破壊していきます。破壊された、つまり多数、微小に欠損した皮膚は治癒過程において収縮し、たるみを改善します。ただ、深くまでは到達しないために、上まぶたが治療の中心となります。他には眉間や鼻根のシワ、下まぶたや口唇周囲なども効果的とのことですが、まだ当院では上まぶたを治療してデータを得たばかりです。ハンドピースはエネルギーごとに3種類あり、ニキビやケロイド・隆起性の傷跡に効果的なものもあります。
コンセプトは面白く、最初は治療で二重まぶたが綺麗になるという触れ込みだったのですが、皮膚の薄い白人と異なり、アジア人ではなかなかそこまでの効果を得ることはできません。それに一重を二重にするというものではなく、加齢でたるんできた二重をしっかりと作り直すというものでしたが、誤った認識を受けることもありました。もちろん皮膚のみを収縮させるので眼瞼下垂には無効です。
実際の効果は手術によるたるみ取りに及ぶわけもなく、少し目がくっきりとする、たるみが軽減するというもので、施術を受けた方の意見では、他人から目がぱっちりしたと言われる、アイラインが引きやすくなった、二重の食い込みが若い頃のようになった、などなど、やはり皮膚が縮んでたるみが軽減した印象を与えます。
今まで上まぶたは手術以外ではあまり効果を得ることはありませんでした。もちろん手術が受け入れられる患者様であれば第一に手術を勧めますし、当院では相変わらずまぶたの手術はそれなりの症例おこなっています。
ただ、どうしてもまぶたに切開線を作る、傷跡や手術に拒否反応のある患者様には、効果は劣るものの、やっと選択肢ができたかなという印象です。もちろん従来もマドンナリフト、サーマクールアイなど様々な手法が試みられましたが、それらと比較して、高密度で広範囲、はっきりと皮膚を収縮させることのできるプレクサーは、理論上も実感も、効果としては上々であると思います。
昨日のセミナー後も多数も注文が入ったようで、業者さんは喜んでいました(もちろん私には何のマージンも入りませんが。。。。)。
但し、欠点はダウンタイム、つまりかさぶたが生じる期間があることです。1週間程度のかさぶたが残り、特に最初の3日程度は目立ちます。

治療回数は1ヶ月以上空けて3回が目安です。持続期間は、当院ではまだ長期例がないのですが、海外の情報ですと1年程度とのことです。


2例とも上が施術前、下が2回施術後。二重がしっかりしているのが分かります。
当院では他にレガートという高周波プラズマ機器もあります。これは広範囲を高周波&プラズマのコンビで照射し、プラズマの効果もさることながら薬剤を導入する高圧超音波機器の相互作用で、全く別の適応に用いていますので混同しないで頂ければと思います。
プラズマは理論が非常に難しく、様々な現象論を理解しないといけない部分もあります。私自身、某大学の工学部とプラズマによる薬剤導入の研究などもしてきましたが、その知識を生かしつつ、今後もプラズマには注目していこうと思います。