先週末は大阪で開催された第26回日本形成外科学会基礎学術集会に参加してきました。
近畿大学形成外科の磯貝典孝教授が会長。
今回は「ピコ秒レーザー治療の基礎と新展開」というシンポジウムでの講演を依頼されて、数年ぶりに基礎学術集会に参加となりました。前回は2014年に長野で開催された時にレーザー系の研究の共同演者としての参加でしたので、3年ぶりです。
形成外科の中でも基礎系の研究を主体とする学会ですので、開業医には縁の遠い学会です。私が医師になって3〜4年目の第2回?から数回、当時研究していた細胞培養や細胞保存などについての研究を発表していましたが、当時は駆け出しの研究者、殆ど注目もされず、いつのまにか研究も止め、市中病院での勤務となり臨床に打ち込んだのでした。
そんな私が基礎学会のシンポジウムに演者指定でお声がけ頂いたのですから光栄なことです。
照射後皮膚の(顕微鏡での)組織所見なども提示しながら、自分でできる範囲の基礎的検討についてと作用機序の理論的考察を講演させて頂きました。
演者・座長の先生方と。
感謝状も頂きました。
ピコ秒レーザーはやはり世界のトレンド。レーザーで美容医療を実施している医師のうち、プロはほぼ導入し、最近はより広い層へと広がりつつあります。もちろんビジネス的には収益の柱となるものではなく,より良い治療が出来るための医師自身の良心であったり、こだわりであったりする機器です。しかし、様々な工夫をして、かつ企業側に開発の提案をすることによって徐々に美容的治療への活路も開かれつつあります。
実は今、それについてデータを取っている手法があり、今回の学会で少しだけ話をしましたがかなり反響がありました。来年には一般の患者様に治療を提供できるかなと考えています。
そして、この学会から帰ってきて,日曜日はヒアルロン酸注入剤のセミナー2つ。午前中は臨床指導のトレーナーをさせて頂いているG社のセミナーにて他のドクターに手技を指導させて頂きました。午後はA社の大規模セミナーを拝聴。海外と中継して御献体を用いた解剖レクチャーが目玉でした。
解剖レクチャーは海外の学会では最近多くなりましたが、何度見ても勉強になります。解剖というのは注入治療をする上で必須の知識なのです。これを国内でも実現したことは画期的だと思います。残念なことに画像が粗く、微妙な面も多々ありましたが、海外の学会に行くことの少ない日本人医師にとっては大きな意義のあるものだと思います。
形成外科医は交通事故や癌の手術などで様々な顔面の血管を直接見ることがあり、顔面血管については最も熟知している診療科です。それでも注入治療というのは細心の注意を必要とします。こんなオッサンになっても日々勉強。