大きな効果を得るための治療にはこの二つが大きく関わってきます。
レーザー治療などにおいて、時間は沢山取ったので、どんなに赤くなっても、かさぶたができても構わないので、強く照射してほしいと言われる事があります。
しかしながら、強い照射には長いダウンタイムだけではなく、リスクもあるのです。
ただ赤みやかさぶたが長引くだけなら、よく説明して治療すれば何の問題もありません。しかしリスクとして危惧していた傷跡が残ったり、かえって悪くなってしまうような事が起こる確率も高くなるのです。
我々医師は、この点を強調してお話ししますが、時々聞く耳を持たない患者様がいます。
これは非常に危険な事なのです。
しかしなかなか理解してもらえない事もあります。
時間を作ったから最大限の結果を短期で得たいという気持ちは分かりますが、トラブルを起こしてしまっては治療の意味がありません。
きちんとリスクの説明を受けて納得、同意して、その結果副作用を生じた後の責任は全てドクターにという例が最近増えています。当院にいらっしゃる時には前医への怒りで満ちており、話を聞き始めた時はお気の毒に思っても、よくよく聞いてみるときちんと説明も受けていて、確率論としてのトラブルであるにも関わらず、その後の治療には非協力的であったというのは、良くないことです。
当院では、理解頂けていないと判断すれば、治療をお断りしています。
美容医療は魔法ではありません。悪くなるリスクも理解し、不幸な事に合併症が生じたら医師ときちんと話し合い、できる限りのリカバリー治療を受けるのが基本です。
「私だけは大丈夫」という思い込みはやめて、冷静に考える必要があるのです。
どんなに腫れても赤くなっても良いから、最大出力で、というのは間違いです。その分だけトラブル、後遺症を生じる可能性も高くなるのですから。
偉そうに書いている私も、やはりこういったトラブルは時々あります。