Quantcast
Channel: 美容外科開業医の独り言
Viewing all 654 articles
Browse latest View live

異物・注入物融解のアキュスカルプは大変

$
0
0

最近、当院で実施をしている種々の注入物融解治療であるアキュスカルプレーザーを希望される方が増えています。北海道から九州まで全国から患者様がいらっしゃる状況です。
特に成長因子系の注入によって過剰に隆起した状態を修正したいという希望が多くあります。もう何十人も実施しています。。。。
当院のホームページ上では詳しく書いていない(特殊なトラブルなので正規に書けるようなものではない)ため、自由自在に形を調整できるものだと勘違いされる方もいらっしゃいます。そこでちょっと詳しく書いてみたいと思います。

アキュスカルプはもともと皮膚から針を刺して、その穴に沿うように細いレーザーのファイバーを患部に直接刺入、レーザーを照射することで対象物を溶かす手法です。それだけでは足りないので、殆どの場合は極細の脂肪吸引機器を用いて、さらに内部を吸引します。
増殖した組織が均一であれば、細かい調整もできると思うのですが、元々ある正常組織が増えていること、また筋肉や皮膚直下などかなり入り組んで増殖していることなどから、形を微調整することは不可能です。笑ったときだけ膨らむ・歪むのを治してほしい、外側を数ミリ除去してほしい、等々、非常に要求が高いと、治療はお断りをしています。あくまでボリュームを大ざっぱに減少させるものであり、彫刻で削ったように細かく細工できるものとは異なります。表情による変化などになってしまうと、ほぼ修正不可能です。
そんな中で少しでもボリュームが減れば良いと思う方にのみ治療をしています。
回数も2~3回かかることが殆どであり、効果発現も3ヶ月待って得られるようです。

そもそも他院でのトラブルケースですし、内部がどうなっているかは誰も分かりません。除去してもまた増殖してくることもあるくらいで、細胞自体が異常なのかどうかさえも分からないものなのです。増えすぎたからリセット、元通りに、という安易な気持ちで受ける治療ではありません。
目の下ギリギリでは、常に眼球への影響がないよう細心の注意をしながら実施をしています。通常の脂肪と異なり、ガチガチに硬い・皮膚や筋肉に絡まっていることもありますし、そのような場合は勢い余ってというリスクがあるので、私自身無理はしないようにしています。

また治療後は腫れが生じます。個人差が強いのですが、2週間は腫れるとお考えください。目の周囲だと内出血も強く生じたりして、目の周りがパンダのようになった人もいますし、腫れのため目が数日間開かなくなったという人もいます。化粧で隠すから大丈夫です!と言われてしまうと、そのようなものではない旨を説明しています。
リスクは、皮膚にこびりついているがために、皮膚を突き破ることがあること、熱傷が生じる事があること、部位によっては顔面神経部位等に麻痺が生じる事があるなどです。事前に説明をして納得頂かないと実施はしません。神経の周囲に絡んで増殖していれば、神経麻痺は起こりえるのです。
失敗はないですか?絶対大丈夫ですか?と言われてしまうと、保証はしていないので、それでも治療を受けたい人だけと返事をしています。
当然ですが、初診時には治療はしません。診察をして、希望を聞き、現実的希望かどうか、また適応があるかどうか判断をした上で施術予約を取ります。実際に施術をしたら3週間後に必ず受診頂きます(どんなに遠方でも)。その時点で異常があれば、早期対応で改善できることが多いのです。時間が経ってからでは回復するはずのものも回復しません。

レーザーと言ってもちょっと別格なものであり、さらに特殊な対象への治療でもあるので、このような方法を実施しているクリニックは全国に数件だと思います。収益性からは全く良いものではないのですが、全国で悩んでいる人がいる以上、レーザー治療のプロという自負もありますし、治療を請け負っています。

単に美容的な治療をさらっとしているだけなら、誰でもできるのです。レーザーのプロではありません。美容医療でより良い結果を出すのも重要ですが、難しい傷跡や異常な状況、他院でのトラブルケースなど、それらをもきちんと守備範囲にして対応していく、美容医療においてのセーフティネットになれるよう、日々努力していきたいと思います。
但し、それらを実施するときは、今まで述べたようなリスクというのは必ず説明します。何でも簡単に治せる、そんな才能はないので、日々できることを真面目に取り組むだけです。


PR: DYNAMITE 6 CAMPAIGN

美人の条件とその変遷についての私見

$
0
0

今週末は韓国に出張予定。韓国が先行して使用している新しい機器について知り合いのドクターのところを訪問して色々情報を得てきます。当院で既にモニターを含めて治療は少し実施していますが、近日中に本格的に開始しますので、また報告致します。


今日のテーマ、「美しい顔」とは何でしょうか。
整った目鼻立ち、綺麗な輪郭を元に、全体のバランスが取れている、体で言うところのプロポーションが綺麗なことも条件の一つです。
医療関係者の間でよく言われる「マスク美人」。手術室の看護師さんを見て、凄い綺麗な人だなと思っていても、帽子・マスクを取ると、「あれれっ??」。
目がぱっちり(メイク)、鼻筋が通っていても、鼻先以下のバランスが悪く、顔輪郭もパーツの配置から見て整っていないと、全体としてみると真の美人顔ではなくなります。
とても失礼な喩えをしてしまいましたが、美容外科手術を受ける上で、これは重要です。一重の人が目だけ二重になれば美人になれるのか、必ずしもそうではありません。もちろん一重よりも二重の方が目がぱっちりはしますが、あくまで目がぱっちりするのであって、美人になるのではありません。
二重にしたことで美人顔になることも多いかもしれませんが、それはあくまでその結果が全体のバランスを良い方向に動かしたときです。
時に、過剰に目を大きくしたい希望や、鼻を高く、細くしたい希望があります。パーツで見たら綺麗かもしれませんが、全体を見ると、それではかえってバランスが崩れると予測される場合もあります。鏡を近づけて顔を見るのではなく、鏡を遠く引いて、顔全体を見て、どう形を変えればいいのかは検討するべきなのです。
美容外科で手術を受け、修正を希望して来院される患者様の多くが、鏡を顔に近づけて見過ぎなのです。細かいところにこだわるあまり、全体のバランスを認識しなくなっているのは良くないのです。

「フランス人形」のようになりたい、テレビに最近出ている話題の人がそう言っています。現実離れしているとは思いますが、まだ考えは理解できます(正しいと言っているのではありません)。全体として、そういうバランスになりたいということです。「鼻先をもっと細くしたい」というこだわりの方が怖い場合があります。小鼻の皮膚の厚みと鼻の穴の大きさとの関係もあり、ただ単に鼻先を小さくすると、鼻の穴が異常に小さくなることもあるのです。これは明らかにおかしな形です。

さて、美人の一般論について考えていきます。
そもそも美人の顔の定義は社会的環境、流行などがあります。極論として、昔々、日本では西洋型の顔というのは美人ではありません。二重よりも涼しげな一重、そう歴史の授業で習った人も多いのではないでしょうか。
人は社会性を持った動物です。ある一定の社会的普遍性の中で生きるのが得策です。みんなと違うより同じが良いのです。顔に点数を付けるとすると、分布で言うところの平均周囲から上が良く、下の方の分布に入りたくありません。しかし一方で、上の方の分布で極端にはみ出すと羨望の的となりますので、そちらを求める人もいます。ただ、コンピューターであらゆる人の顔の平均値を出して顔を合成すると、それが美人になるという報告があります。つまり脳内で無意識にでもそういう顔が美人だと認識するのです。
昔は日本人だけで考えれば良かったのですが、西洋の生活が入ってきて憧れとなり、西洋人型の顔が脳に認識されると、その分布というのは西洋人も含めたものとして考えていきます。平均は少しずれていくでしょう。また西洋型の生活によって、食事などによる顔の筋・骨の発達変化・理想とする体重による脂肪のつき具合の変化も生じ、日本人自体の平均値も変化していきます。メイクやヘアスタイルによる印象の違いも出てくるでしょう。全てのことが脳に擦り込まれ、徐々に美の基準が変わっていくのではないでしょうか。グローバル化の現在においては世界共通の美人顔ということになります。その中の一つに、以前も書きましたが、黄金比というバランスがあり、動物学的に人に限らずこれは美しいと感じるそうで、美人顔もこれを満たしていることが多いそうです。

ただ、細かい好みは異なるようで、アジアでも中国・韓国・日本では微妙に輪郭などの理想的バランスは違うというデータを見たことがあります。
また韓国では民族的多様性がなく、ほぼ一つの形態を美人として目指すので、美容外科によって仕上がる結果が似通ったものになる傾向にありますが、日本は韓国よりも元々民族的に多様な顔立ちのためか、目指す顔立ちには幅があり、美容外科によって仕上がる結果も様々になるそうです。


美容外科的に見た「美人論」、面白いですね。美容外科医それぞれが経験に基づく自身の見解を持つと思いますので、そういう話をまとめると案外素晴らしいアイデアが出てくるかもしれません。

PR: 限定!コラボデザインの掃除機ブログモニター募集!

$
0
0
コードレスでもコード式でも使えるハイブリッド電源掃除機。お掃除をもっと楽しく!

韓国へ:最新美容医療情報収集

$
0
0

先週末は韓国出張。今度当院で本格導入を開始する機器について、知人のドクター達を訪問し、その出力設定や適応・理論などについて情報を得てきました。
かなり評価が高いようなので非常に楽しみです。
まだ本邦では導入されていませんが、実際に使用した経験では非常に結果が良く、おそらくは一つのトレンドになるのではないかと期待しています。
ニキビとニキビ跡の両者併発例、傷跡・ケロイドなどに主として用いる予定です。
特になかなか治らないニキビを抑えつつ、ニキビ跡の凹凸も改善していくので、今までのeCO2やCO2REとの違いなどを活かして、新しい選択肢としていけると思います。
詳細はまた今度。

さて、今回訪問したのは2つのクリニック。
最初はアルムダウンナラクリニック。非常に大きな医院ですが、ドクターそれぞれの裁量権が大きく、積極的に新しい治療に取り組んでいます。日本のガイドブックにも載っていたりと、商業的にもしっかりと活動しています。
Lee
Dr.Lee、Seoと。写真には写っていませんが、もう一人、女医さんのDr.Suhともお会いしました。
以前韓国でたるみ治療機のウルセラシステムが導入される際に講演させて頂いたことがあるのですが、その際に韓国内でのモニター症例発表をしたのがDr.Suhです。数年ぶりにお目にかかりました。今度の機器も彼女がメインで使用しているとのこと、新しいものを積極的に使用し、論文を書くのが得意なようです。この日は休暇のようでしたが、私の訪問のためにわざわざ来て頂き、感謝です。臨床経験が最も多いドクターの一人なので、様々な治療の設定について教えてもらいました。

そして2軒目はZELLクリニック。Dr.Jong Min Parkの個人クリニックです。彼は英語も堪能で、世界のレーザー研究の中心的研究機関で研鑽を積んだ経験のあるドクター。数年前、アクセントウルトラの理論や臨床使用について当院を来訪頂いて以来の付き合いで、海外での学会でも何度か御一緒したことがあります。聡明で理論の話をするなら今回の機器ユーザーの中では一番ということで訪問してディスカッションしました。もやもやしていた部分がすっきり。さすが、でした。
Park

夜はDr. Parkや業者さん達と焼き肉を食べながら、近況や現在の美容医療を取り巻く状勢などについて色々と情報交換。
相変わらず韓国はマーケッティングとして我が国の遙か先を行っています。そして中国人患者の急増やクリニックの巨大化などに伴う競争など我が国でもいずれ起こりうる問題点などを抱えています。
さて将来的な見通しは?と色々考えていたところ、韓国の専門誌からインタビューの申し入れが。その考えていた部分を教えてほしいということで、日本代表としてコメント。。。。
先日も国内の医療ビジネス誌から同様の依頼がありました。
でも自分自身、そんなこと分かるような大きい器じゃないですし、分かったら将来的不安もなくなります。

絶対治る・絶対安全??

$
0
0

美容医療は、病的ではない正常な状態をより良くする医療です。
患者様としては必ず良くなると期待し、トラブルは一切生じないと考えがちです。
メディアが必要以上に美容医療のメリットをデフォルメして煽り、専門家気取りで良いとこばかりを無責任に書き連ねることも大きな問題ではあります。

「美容」ではあっても医療行為です。不確定要素があるのが医療であり、人間という生物としての個体においては様々な刺激(治療)による反応は様々です。
プロになるほど、その違いを事前に判断し、状況に応じた強度・手法で対応していきますが、それでも予想外のことが生じる確率をゼロにはできません。また異常な反応が生じた場合、今度はそれを瞬時になくすこともできません。
治療に対する不確実性において状況判断と事前対応、生じた問題点に対する反応、これが専門医の技能であると思います。
そしてハイリスクハイリターン、ローリスク・ローリターンが基本です。ローリスク・ハイリターンを期待される人が多いのですが、魔法のような治療はありませんし、もしそのような方法があるのであれば、全ての医療機関がその方法のみを実施しているはずです。
多種多様な選択肢があるほど、それだけ治療が難しいという事になります。
アンチエイジングと部分痩身(局所脂肪融解)、今この2つはある程度のことができるようにはなっていますが、解決したわけではありません。
アンチエイジングで言えば、本当の若返りは不可能であり、外見上若く見せる手法があるだけです。シミを完全に除去しても一生シミの出ない肌にはできません。たるみを手術で除去してさえも、年が経てばまた弛んできます。加齢という時計をピタッと止める方法はないのです。

安価で安全で確実、効果が大きな治療、そんなものは存在しないのが美容医療です。どのような治療にも欠点があります、リスクがあります。

手術などでも、本人の思い描く形にならないことも多くあります。理想とされる芸能人の顔に近づけたくとも、ベースとなる骨格や皮膚質、様々なものには個体差があり、それを完全に一致させることはできません。イメージと違うという主観的判断もするでしょう。気に入らなかったら、手術後1週間程度で腫れも残っている状態で、早く治したい、再手術したいと言う人もいますが、ゲームがリセットできるように元に戻すことなど不可能なのです。切って縫い直せば、人体は創傷治癒という反応、炎症などが生じます。癒着も起こります。もとの手術前の皮膚とは異なるのです。このような反応が落ち着くには早くて3ヶ月、通常半年から1年はかかります。待たずに再手術をして傷が不自然に歪んだり、異常な癒着を生じている例を多数見ています。再手術をした医師も、その点を患者サイドに何度も念押しし説明して手術をしているにも関わらず、本人はその事を全く理解していなくて、「思ったのと違う」と、また即再手術を求めて他院にカウンセリングに行くという悪循環に。
レーザーでも肌に強い反応が起こりしばらくは待った方が良いのに、即次の治療を求めたり、リスクとして医学的説明を受けても、自分にそんなことは起こらないと思ったと感じたり。

消しゴムで消すように元に戻せないのが人体組織であり、また不確定要素があって、経過に時間がかかるのが人体組織です。人の体にはリセットボタンはありません。



********************
イチからはじめる美容医療機器の理論と実践/全日本病院出版会

¥6,300
Amazon.co.jp

東京マラソン2014完走顛末記

$
0
0

私が「挽回ダイエット」と称して大幅減量に成功した話は何度かブログに書いていると思います。カロリーのin-outをきちんと管理し、厳密に守ればほぼ100%の確率でダイエットは成功します。当たり前のことですが、それが難しいので「挽回」と称して、無理なく痩せられるよう考えました。

その際の主たる運動はランニングだったのですが、その後色々とあり、アンチエイジング医師として有名な青木晃先生(大学の先輩)に感化されてしまって、東京マラソンに出ることになってしまいました。

さて、
今日は完全な個人ブログです。美容情報しか興味がない方は読み飛ばして下さい。
私自身、東京マラソン(というよりマラソン自体初体験です)に出るにあたって不安だらけだったため、沢山の方々のブログなどの情報を参考にさせて頂きました。ですから折角走ったなら、自分が得た情報も書いてお役に立てればと思います。
スタート
スタート地点は満員電車内のようです。
スタート会場のトイレは大行列。大規模マラソンでは切実な問題です。一番奥のトイレが男女関係なく空いていましたがそれでもこんな状況。ここのみ男子専用があったので、男性の場合は待ち時間10分程度。
トイレ
しかしスタートまで寒い中1時間ほど待つと、ちょっとレース中大丈夫か心配になってしまいました。ただ、号砲後スタートラインを越える直前の辺りで、係の人がトイレありますよ~と教えてくれていて、思い切って行ってみたら待ち時間3分程度。おかげで最後までタイムロスなく走れました。有り難かったです。もちろんコース途中のトイレは大行列。一部のトイレ(浜町など)は空いていましたので、男子なら大規模で専用がある所を事前チェックしておくと良いかもしれません。

私は後ろの方のスタート(Jブロック)だったので、開始セレモニーの様子は見えません。。。。その上、スタートラインを越えるまでに20分近くかかり、その後も渋滞。自分のペースで走ることはできませんし、そのために何人もの人とぶつかります。ただその後は流れてきて3万人超の規模でも何とかなるものなんだと感心しました。
途中

東京マラソンの醍醐味は、普段は走れない銀座など都内中心部を思いっきり疾走できることです。

銀座歌舞伎座
浅草スカイツリー
ついつい写真を撮りながら走ってしまいました。

沿道では沢山の人が応援。そして様々なショー・演奏が心を励ましてくれます。本当に心に響きます。感謝です。
応援

仮装している人も沢山。見ていて面白かったです。
十字架

35キロ付近までは同じペースで順調に走れ、初マラソンを楽しめましたが、その後は急にきつくなってきました。それでも意地で何とか走りました。
あと2キロ
しかし、あと2キロの看板のあたりから失速。もう足が動きません。
よれよれになりつつ、ゴールへ。
ゴール

何とか完走しました。
完走
タイムはネットで4時間39分。アラフィフ初心者の初マラソンなので、完走しただけでも良しと思います。

マラソンはアンチエイジングとしてはすごく良いとは言えません。日焼けの問題や、長時間運動による活性酸素の発生、肝臓や造血系への負荷などがあります。ただ走るということは、運動する習慣をつけるには最も便利なものです。マラソンまでする必要はありませんが、数kmでもゆっくり走る習慣を身につけるだけで、ダイエットにもなりますし、健康的に筋力をつけることもできます。スタイルも保てます。
過度に運動すると問題ありですので、マラソンよりもずっと短い距離でのジョギングをお勧めします。

部分痩身とダイエット

$
0
0

先日の東京マラソン前にエネルギー充填のために炭水化物を多めに取っていたら1キロほど太ってしまいました。フルを走ったのに太るなんて。。。。

さてさて、今日は部分痩身とダイエットの違いのお話しです。
この両者は全く違うものです。しかしながら我が国では(世界でも)この2つを混同している人の方が圧倒的に多いのが現状です。
我が国において、エステの広告などで局所・ウエストを揉んだり・絞り出したり?している施術でも、結局のところ体重の減少幅が強調されています。ダイエットには皆さん興味があっても、局所がどれくらい綺麗になったのかに関しては無関心です。
部分痩身というのは、もちろん体重減少でもありませんし、そもそもウエストを何センチ減らすかというよりも、出っ張った皮下脂肪を減らし、ボディラインを整える治療なのです。ただ、局所の形状を表現するのは難しいのでウエストサイズでその効果を表現するしかないのです。
最近の考え方として、単に皮下脂肪が多い部分を綺麗にするというよりも、腹部などのボディラインを見ながら、減らすべき部分、美しい曲線・若い頃のような形状を取り戻すにはどうすれば良いかをデザインして複数部位治療する手法が出てきました。
これが本来の部分痩身です。ボディコントゥワリングとも言われます。ただ一般にはなかなか浸透しません。おそらく良いネーミングが生まれないと一つの大きなムーブメントにはならないでしょう。
クルスカ、トゥルスカ、ウルトラアクセント、ライポ、キャビテーションなどなどクリニック毎・機器毎に名前をつけても、大きく美容市場を変えることはできません。既に一般化した「レーザー脱毛」は皆さん知っていても、「ジェントルレーズ」などという機器の略称を言われても何をするかなんて一般の人は分かりません。やはり全ての機器に通じる名称が必要なのですが、現状ではそれぞれの機器の優劣ばかりをクリニック・機器会社が取り上げ、機器名・施術名先行になってしまっているのがマーケットが大きくならない最大の原因であると思います。
レーザー脱毛みたいなシンプルで共通の一般向け名称ができれば。。。。
既に我々が使っている部分痩身という名称はどうしても「痩せる」ことを連想させてしまいますし、体を絞るというかラインを綺麗にすることがすぐ連想できる名称、何かないでしょうかね。
以前より「お腹ダイエット」という表現を私はしていたのですが、これも苦肉の策です。ダイエットという一般化された呼称を局所部位と組み合わせることでイメージできるかなと思ったのです。しかし、それによって男性の太鼓腹(内臓脂肪)の、(形状ではない)サイズダウンの治療かのように誤解を受けてしまうこともあります。
ボディコントゥワリングだからやっぱり「ボディコン」か(死語)??それとも脂肪をそぎ落とす「シェイビング」か??

う~~ん、難しいです。

現状、部分痩身の本当の意味・効果を理解して頂ければ、現在の機器、当院におけるゼルティック/クルスカやアクセントウルトラの施術は結果を出すことができる手法です。そして、結果を出すには時間がかかりますから、今の時期に始めるのが最適なのです。特にゼルティックは、痩身系では少ない回数で腹部を主とした局所変化を得ることができますし、そのためトータルで見るとエステのように何十万もかかることなく効果を出せます。一方、なかなか取れにくい背中や腰周り、太もも・膝上の脂肪などにアクセントウルトラを用いるとセルライトの除去とともに形状が変化します。
これらを使い分けて、薄着の季節に向けて「ボディコン」を着て爆弾してみませんか?


治療費と効果

$
0
0
少し前のブログ「自分にぴったりの治療をするには」で、ワインの好みやソムリエ=医師などの話を書きました。今回は治療費について書いてみたいと思います。
ただ、お断りしておきますが、私は特にワイン通というわけでもありません。ある程度のことは分かりますが、医師仲間で飲むときは詳しい先生方にお任せしています。そんな程度のおっさんが思ったことを書いていますので、あまり詳しい内容のツッコミはしないで下さい。

さて、ワインというのは1000円程度の物もあれば何万円もする物もあります。よく芸能人格付けなどのバラエティ番組でブラインドにてどっちが高級ワインか当てる企画がありますが、有名な人でも結構外してます。それだけ味の好みは値段に左右されない証でもあります。
美容医療においても、高い治療が絶対に良いとは限りません。治療をお受けになる人にとって心地よいもの、満足度が高いものであればそれで良いのだと思います。高いから凄い、必ずしもそうではありません。
もちろん費用が高い治療にはそれなりの理由があります。多くの場合、治療費は消耗品や機器本体の値段が反映されます。ワインの製造にかかる材料・手間やコストなどと同じでしょう。客観的、プロの目から見れば高級ワインにはもちろん歴然とした差があります。しかし素人からはその判断は難しい事があるのも事実です。美容医療も同じ事が言えます。慣れた患者様から見れば、同じクリニック内での治療費の違いは効果の違いに直結する部分もあります。
しかし、ワインの価格同様、10倍の費用差があるから効果も10倍の差があるということはありません。。。。

また同じワインでもレストランによって価格が異なると思います。これはお店の格やサービスの度合い、ソムリエがいるのかどうか、そのソムリエのアドバイスや美味しく飲めるための保存状態、テクニックなど実に様々な要素があると思います。美容医療も同じで、医師がろくに診察もせずに看護師が実施する、最適な設定で時間をかけて実施する、事前に相談してベストな選択をする、などなど医療側の技術料やかける手間・時間・経験の差、施術者が誰かなどによって違いがあって当然です。

現実にはありませんが、安い居酒屋で何十万円もするワインを注文しても美味しく飲ませてくれることを期待するのは難しいでしょうし、高級レストランで数百円のワインを飲むのも本来のソムリエの腕を発揮するという意味では勿体ない話です(もちろん最大限のことはしてくれると思いますが)。
また、居酒屋では赤ワインといったらお店にある相応のワインのみで銘柄指定などはできない事も多いですし、高級レストランでは美味しいワインをソムリエと相談しながら選んでいく、そして好みに合わせるという楽しみもあるでしょう。
また同じボルドーでもピンキリです。居酒屋のボルドーと高級レストランのボルドー、同じボルドーだから中身も同じで安い方が素晴らしいという訳ではありません。沢山の銘柄があります。逆にボルドーならそれで良いという人もいて当然です。

美容医療においても、看護師主体で安価に大量の患者様を施術する所と、医師一人がきちんと診察して治療まで責任を持って実施する所では主役となる治療法に違いがありますし、同じもので比較するのは酷です。それぞれに合った治療方針、治療法を選択すれば、どっちが良い悪いではないのです。
また同じ「レーザー」(上述のボルドーをレーザーで置き換えてみて下さい)でも機種によって、手法によって効果に違いがあるものなのです。何が好みかは患者様次第。

しかし現実には美容医療では、居酒屋と高級レストランのワインを並べて優劣をつけようとするのと同じく、技術やその他諸々のことを考慮せず、また類似するものは全く同じものとして比較検討しようとする患者様がいるのも事実です。

案外、ワインと美容医療って通じるものあり、そう感じます。
私ももっとワインの勉強をしなければ。。。。

PR: ソフトバンク とっておきのおトク情報!

新しい美容医療機器導入

$
0
0

最近諸事情で忙しく、ブログの更新が滞っていました。

ここ数ヶ月で、新しい機器を幾つか購入しました。
昨年末にはフラクショナル機能も有した炭酸ガスレーザーAcupulseを買いました。ほくろ治療に優れたスキャナ機能を持つレーザーを、CO2RE以外にもう1台欲しくなったためです。今でも現役バリバリに使える30Cという機種も持っていたのですが、その後継機種のAcuPulseに、私自身が開発に関与して非常に好みの仕上がりとなった「ほくろ照射モード」が搭載されたため、思い切って買い替えました。何しろ使いやすく、多用しています。
熱影響を最小限にする目的ではCO2REを、周囲への熱作用を出したいときにはAcuPulseを用いています。使用頻度としてはニキビ跡などフラクショナル機能ならCO2RE、ほくろ取りならAcuPulseが多いのですが、もちろん両者ともどちらの機能においても優れた機種である事は間違いありません。

そして
今年に入ってからは、シミなどのメラニン色素性疾患治療用にQスイッチルビーレーザーの改良型SINONを導入しました。
今までもメインマシンとしてアレックストライバンテージという優れたQスイッチアレキサンドライトレーザーを用いていました。ルビー、アレキサンドライトともにメリットがあり、使い分けたいという気持ちはあったのですが、正直、臨床使用においては両者の差が殆どなく、アレックストライバンテージは異なる波長の光を3つも出せるし、多用途だし、あまり必要性を感じませんでした。
しかしSINONの改良型は、これまでのルビーレーザーと異なる特性を持つハンドピースが新規に開発されたことで、シミ治療においてはルビーレーザーの長所を最大限に発揮できるようになりました(以前のSINONとは雲泥の差です)。そこで思い切って導入しました。通常のルビーレーザーに足りなかった「本来のルビーレーザーらしい切れ味」を安全に発揮できることで、ルビーとアレキサンドライトの2つを持つことの価値が出てきたと思っています。

単なるルビーレーザーではないSINONの特徴は今月末に開催されるセミナーでも講演する予定です。2台の機種を使い分けて、シミのような一般的治療でもより良い効果を得ることにも情熱を傾けていきます。

new
新しいSINON(左)とAcuPulse(右)

最近は新しい理論の機器がめっきり減っています。小手先だけの新型機器が多く、メーカーはその利点を述べるのですが、残念ながら効果は似たり寄ったりです。それゆえこのようなスタンダードな機器の改良型をきちんと掌握し、必要なら購入することも重要と考えています。スタンダードな機器ということは常日頃よく使うものです。これをいい加減に考えて新しいものばかり追い求める、流行だけを気にするのは、本来の医療ではありません。

もちろん、その様な状況の下でも新しい理論の機器は幾つか登場しており、それを見極めて機器導入を計画できるかどうかも医師にとって腕の見せ所です。古いだけでも駄目だし、新しいものだけでも駄目。新旧機器導入のバランスも大事だと思います。

長くなってしまいました。もう1つ、新しく導入した機器があるのですが、それは次回ブログで。
そしてまた、全く新しい治療機器の情報も幾つかあります。それも小出しに書いていこうと思います。

PR: 観光立国ニッポン!地域の魅力再発見-政府ネットTV

$
0
0
観光客の減少に悩む観光地が挑んだ新たな挑戦とは!?観光立国への様々な取組をご紹介

最新美容機器導入:RFプラズマと高圧超音波導入

$
0
0

前回のブログで書いた新しい当院導入機器について、です。
Legato2という名称の機器で、高周波プラズマと高圧超音波という2つのエネルギーを持つ機器を導入しました。ベーシックな高性能機以外に新しい機器を導入するときはエポックメイキングな機器を導入します。従来からあるような機能を色々詰め込んだような多機能機器で「エセ最新」を謳うのも良いのですが、やはり機器としては面白いものも必要です。
レガート

この1年間、メーカーの依頼を受けて本機器のテストをおこなってきました。最初は使い方も適当な説明しかなく、効果に関しても懐疑的でしたが、自分なりに理論構築をして、また実際の結果が伴うようになりました。Alma lasers社という大企業の機器なので、まず大きな問題はないだろうと考えていたのですが、最初は失敗の連続。代理店さんの連れてくる被験者には申し訳ないのですが、色々な設定を用いて試行錯誤、これだという設定・手法を見つけました。
もともと全く新しいエネルギー・考え方の機器なので、従来の機器とは違う何かがあるだろうと考えていたのですが、メーカーも説明していないような効果を得られるものもあって、非常にエキサイティングな機器という印象です。

マニアックですが、理論をかいつまんで言うと、フラクショナル状に配置された高周波をベースに発生させたプラズマ(雷みたいなもの)が皮膚に強い熱作用を発生させ、通常のフラクショナルレーザーのような効果を与えます(熱作用は強烈ですが皮膚を削る力はありません)。その上で生じた微小孔に薬剤を塗布、ジェット噴射のように高圧がかかる超音波で深部まで薬剤を押し込みます(一般の超音波導入とは違う理論)。かさぶたなどダウンタイムは翌日までがピーク、3~4日程度で、ごく薄い、肌荒れのようなかさぶたも剥がれ落ちます。
肝斑にさえも照射可能です(韓国では肝斑治療にも使われていました)し、強い熱作用の割りにはすぐ赤みなどは引いてくれます。

治療適応で最も良いのはニキビとニキビ跡が混在している状態です。
ニキビ跡に対しての改善が得られるだけではなく、プラズマや発生する熱の殺菌作用によって難治性のニキビが改善します。プラズマの表面へのエネルギーは非常に強く、また高周波の深部への熱作用も合わせて、非常に良い結果が得られました。
レガート結果

そして、美容外科というよりも形成外科的な治療になりますが、傷跡やケロイドにも有効です。特に広範囲に盛り上がっているような傷跡には今まで良い治療法がなかったのですが、有効性が確認できました。今後は線状の傷跡やリストカット痕などにも応用していくつもりです。

私自身の専門である美容・アンチエイジングと傷跡、この2つの分野につかえる機器であることは、非常に有り難いところです。
今後の評価によっては美容外科医ではない形成外科医も使用していくかもしれません。大げさに言えば、傷跡・ケロイド治療として形成外科医の有する治療ツールの一つになる可能性があります。

この機械、韓国では旧型が3年前から導入されており、ニキビ痕、傷跡、妊娠線、肝斑などに用いられています。導入する薬剤も、抗炎症成分やPRP(多血小板血漿で放出能を高めたもの)、ステロイド剤など多種多様なようです。
実は先月に韓国視察に行ったのも、この機器についてディスカッションするのが目的でした。

そして、今週末も韓国出張予定。今回はある注入剤メーカーの招待で、某大学形成外科准教授の先生とともにエキスパート向け講習を受けてきます。日本における医師への技術指導を継続するにあたって新しい手技や理論を教えてくれるとのことで、非常に楽しみです。
実は再来週も訪韓予定ですし、それ以外にも韓国の美容系専門誌で連載を請け負うことになりました。今年は「韓国イヤー」になりそうです。政治的になかなかしっくりしていない両国ですが、美容の分野では対立ではなく、協調して、お互いに切磋琢磨していきたいものです。

新しい注入手法の研修〜韓国レディエッセの旅その1〜

$
0
0

週末の連休を利用して、韓国へ行ってきました。
今回の目的は新しい注入手法の習得です。
注入剤レディエッセの製造会社、MERZ社のアジアパシフィック部門の方から、インストラクター医師に対して最新手技の研修があるので来て下さいとお声がかかり、少人数のグループで行ってきました。
ただ、朝6時10分発の羽田-仁川路線というハードな出発スケジュール....

ちょうどオランダからDr. JaniというMERZ社の世界的指導医が訪韓しており、ソウルについてそのまま昼食会に参加、その後はRodeo clinicでヒアルロン酸とのコンビネーション治療、顔全体のリフトアップ、鼻先の注入など盛りだくさんの研修。ここのHyun Koun Park院長は韓国内で医師向けにレディエッセ施術インストラクターをしているそうで、非常に経験も多く、
pdustboxdispray
クリニックにはこんなに沢山レディエッセを使ってますよという使用済みシリンジを見せるためのディスプレイもありました。
手技はとても手際よく、かつ綺麗で、勉強になりました。
rodeo

Park院長には今回の訪韓での学会参加や各種器具の手配などでかなり便宜を図って頂き、有り難かったです。Nice guyでした。
rodeodr
右から2番目がPark院長。

レディエッセは、世界的に広く用いられるようになった注入剤で、カルシウムハイドロキシアパタイトを主成分とし、粘弾性に優れ、輪郭形成にはとても有効です。簡単な注入手技、技術的に安全な手法が多々あります。ただ、その硬さゆえに注入法を間違うとトラブルの元であり、いきなり使用すると問題を起こす事があります。その性状や適応を分かってから使う必要があり、それを知っていれば安全ですが、知らないと問題を起こし得ます(技術的に未熟な医師がレディエッセの使用を危険と言っている場合もありますが、それは製品知識や正しい使い方を知らないから、です)。そのため、各国で医師向けに指導できるような体制が作られています。私も有り難いことにその中に加えて頂いており、定期的にこのような技術研修会に参加させて頂いています。
今回は特殊な使用法によって顔全体の改善、手のしわの改善等々を得る手法など実に様々なことをマスターしてきました。初心者向けと上級者向け、使い分けによって様々な事ができるので医師個々の技量に応じて治療が出来ます。
また他の注入剤、ウルトラVリフト等の糸との併用なども韓国では既に多数おこなわれており、これも我が国で導入が始まっていくと思いますが、安全にかつ効果的にこれらの手技をおこなうために必要な知識と技術についても学んできました。

おっと、初日の内容から力が入りすぎました。
注入手技研修のあとは食事に行って、またクリニックに戻り夜遅くまでディスカッション。
ちょっと疲れましたが、翌日もまだまだ充実した内容でした。
続きは次回。

新しい注入手法の研修〜韓国レディエッセの旅その2〜

$
0
0

前回に続き、韓国研修の旅です。
初日の充実した研修の翌日2日目、朝からMerz社の研修室にてレディエッセの注入手法セミナー。専属ドクターSunjoo Park先生の手背への注入レクチャーでした。最初はこんなに塊で注入して大丈夫と思ったのですが、綺麗に馴染ませるテクニックによってかなり満足度の高い仕上がりとなりました。当院でも希望者がいらっしゃれば実施致します。
parkhand
Park先生自らご自身の手を研修に提供。。。。

Park先生はMerz社専属ドクターですので、様々な知識と経験があり、何より物腰柔らか、インテリジェンス溢れる美しい女性で、手の注入だけでなく実に様々なことを教えて下さいました。

Merz Asianpacificはアジア・オセアニア圏の統括部門で、カンナム地区では有名な、お洒落なビル2フロアを占有している大きな会社です。今回はレディエッセのみの研修でしたが、他にもボツリヌストキシン・ヒアルロン酸製剤なども販売しており、様々な研修もおこなっているようです。
merz
今回の研修以外でも、Merz社は1年半ほど前にアジアのキードクターを集めてマカオでセミナーを開催しています(参加しました)。様々な製剤を併用して素晴らしい結果を出していく手技の研修がありました。我が国ではまだまだ広まっていない、トータルで顔を若く見せる手技というのを沢山見せてくれました。顔の解剖・老化の仕組みを熟知し、どこがボリューム不足になっているのが、どの脂肪層が下垂しているのか、これを理解せずにやみくもに凹んだ部位にだけ注入する手技は世界的には時代遅れも甚だしいものです。そんな今の世界的流れを修得するには、こういった会社の努力は重要な事です。
特にレディエッセは単にボリュームを増すだけの注入剤であればヒアルロン酸より優れているとは言えません。ボリュームや輪郭のコントロールに用いてこそ、その価値がある注入剤です。ヒアルロン酸との比較だけではなく、使い分けこそがポイントとなります。
今回も、そんなことを再認識する研修でした。
美容医療を始めたばかりの医師だけではなく、プロとして診療している医師にも十分な情報と知識・技術を指導できる体制は素晴らしいと思いました。

我が国では厚生労働相承認など様々な規制があり、法律上の未適応部位や未承認薬剤の問題などから、このような最新治療を学ぶセミナーはオフィシャルに会社が開催不可能です。やはり海外に行かなければ得られない貴重な経験となりました。

私も様々な機会を通じてこのような経験を得させて頂いています。もちろん機器メーカーを含めて他社の海外研修・セミナーも色々と参加してきました。一つの会社でのみ知識をつけるだけでは偏った考えになりがちです。
どうしても年を取ると国内だけで満足しがちですが、今後もできるだけ沢山の知識や技術を身につけ、世界標準の美容医療をおこないたいと思います。

また、今回のセミナーで再認識したのは、レーザー等機器だけでは美容医療は不完全だということです。機器を用いた最新治療ももちろん重要ですし、その道のエキスパートであり続けたいと思いますが、注入剤などによる美容医療も極めてこそ、世界と渡り合えるのだろうと思います。日本はどうしても機器主体で、それだけにこだわりがちですが、私自身は今まで以上に機器以外の美容医療も重視していきたいです。

またオタクな意見ばかり述べていたら、2日目の内容を書ききれませんでした。
「その3」に続きます。



新しい注入手法の研修〜韓国レディエッセの旅その3〜

$
0
0
さて、前回に引き続き、また韓国研修のブログです。

2日目の午後からはクリニック表敬訪問とディスカッション。
最初に訪れたのはSynergy clinic。形成外科医のDr. Jung Kyongら3名の医師と面会です。
シナジー synergy
レディエッセの適応や使用方法などのディスカッションをしただけではなく、様々な日韓の美容医療状況について談義しました。

その後はLamar clinicへ。Dr. Kim, Bong Chulと面会。

ラマー lamar

英語が堪能な皮膚科医で、非常に気さくなドクターでした。
ここに限らずですが、芸能人のサインなどが普通に飾ってあり、こういうところは日本ではあり得ないなと感じます。競争が激しいので、色々なツールを使って集患をしないといけないそうです。日本もいずれそうなってしまうのでしょうか。。。。

ラマーにて

その後はLeaders clinicへ。旧知の仲であるDr. Rho Nark Kyoungと久々の再会。彼は私のクリニックに来たことがありますが、私が訪問するのは初めて。非常に綺麗なクリニックでした。
リーダーズ

彼は私の著書(イチから始める美容医療機器の理論と実践)の韓国語版を翻訳中です。そうです、なんと私の著書が韓国で刊行される予定なのです。それに合わせて、韓国の美容医療専門雑誌では私のインタビューや連載などが始まりましたが、全て彼のおかげです。Dr. Rhoとはたるみ治療機器ウルセラが韓国内で発売になった時に私が招待講演して知り合って以来の付き合いで、海外の学会などでいつも再会しては近況を話し合う仲なのですが、今回は実際にレディエッセ注入をしながらのディスカッションとなりました。
一緒に写真撮るのを忘れたのが残念!

その日はこれで終了、となりましたが、もちろん仕事が終われば美味しい韓国料理とお酒です。深夜まで飲み明かしました。。。。

翌日はKASLSという韓国の美容医療の学会に参加。会長のDr. Choiに紹介され、なぜかVIP roomへ。とりあえず写真撮影と相成りました。
学会で congress

その後はあちこちに連れて行かれ、挨拶したりもろもろ。
ただ、本来の目的は初日にお目にかかったMerz社の世界的指導医であるDr.Janiによる講演を拝聴することなので、時間に追われるように会場へ。
バタバタしましたが、これで訪韓の目的は全て達成。折角なので美味しいランチをということで、蟹の醤油漬けカンジャンケジャンの店へ直行、お酒も飲んで昼から宴会となりました。

清水先生タコケジャン

今回ご一緒したのは、昭和大学形成外科の清水准教授でした。本当に気さくで優しく面白く、かつ仕事がバリバリできる先生であり、色々な事をシェアできて良かったです。

ということで、そのまま空港に直行し帰国となりました。飛行機の中でもワインミニボトルを2本空けてしまいました。
それだけ楽しく、充実した研修でした。

韓国弾丸出張:新しい薬剤と高周波

$
0
0
先週に引き続き、週末は韓国へ行ってきました。
前回と異なり、今回は新しい薬剤や機器をリサーチです。
今回は再生医療系の注入剤の安全性確認(特に副作用)についてと、新しい高周波機器について実技を見せて頂き修得するというものでした。

どちらもまだ詳細は書けませんが、私は安全な再生医療系注入薬をずっと探していました。どうしても成長因子単独では過剰反応、しこりが問題となります。そういったことがないものというのは、単剤の薬剤ではなく複数の薬剤で構成され、「平衡状態」のようなバランスが取れたものでないといけません。しかしそれらの多くが化粧品や塗布剤としての承認しか取れておらず、世界的に安全に注射できるとされているものがないのです。その中で今回見てきたものは期待度大です。実際研究を進めている大学の教授にもレクチャーを受け、さらに臨床に使用している皮膚科医ともお会いし、美容だけではなく、やけどや縫合した傷に対する治癒促進目的で使用し、良い成績を収めている話を伺いました。
DrLim
TOTAL皮膚科のDr.Limと。

そして、今度は新しい高周波機器。皮膚内に刺し込む方式です。従来の機種よりハイパワーなこと、刺し込む器具の先端に特殊な加工がしてあることなど、特徴が多々あります。大永美容整形外科のDr. Ahnに実際の手技を見せてもらってコツなどを教えて頂きました。韓国内には秘密だそうですが、私の質問がDr.Ahnの「形成外科医」としてのプライドをくすぐったらしく、色んなことを教えて頂きました。
施術中
施術風景(ちょっと隠す部分もあり、申し訳ありません)

DrAhn
Dr.Ahnと。真面目なナイスガイでした。


韓国で開発、もしくは流行が始まった治療については、その真偽や効果を確かめるべく韓国に直接行って、使用しているドクターと話をしてくるというのが一番です。
日本でただ待っているだけで情報を得るほど簡単な業界ではないですし、それでは最先端を走ることができません。しかし一方では安全性なども確認しないまま、なんでも新しいものが良いとばかりに次々に手を出すのも危険です。
努力も必要ですし、知識も必要。どんな業界も同じとは思いますが、日々研鑽を積んでいくしかありません。私のような凡人は体力勝負、気力勝負です。

私自身、これまで水光注射やウルトラVリフト、レディエッセ、テノール、アクシダーム(メソアクティス)をはじめ、多数の治療機器・治療方法について、最初は韓国から導入して、我が国で最初、もしくはごく初期に始めました。新しいものを導入する目利きになって、それが我が国で流行っていくのを見るのは、自分のしていることが間違いではなかったという嬉しさにつながっています。

今回の薬剤・機器が、そのようなものとなるのか、業者さんとディスカッションしながら色々と練っていきたいと思います。

ということで仕事は終了。夜は宴会でした。
百歳酒  スンデ
百歳酒専門の居酒屋で、大好物のスンデ(腸詰め)とともに痛飲。。。。
翌日早朝便で帰国し、家には帰らずに業者さんのセミナーにて2つ講演をしました。
そこでまた韓国の別業者さんとレーザーの歴史を含むディープなディスカッション。私はまだ韓国にいるの?という錯覚に陥りました。

当院処方、美容クリームのベストセラー

$
0
0
来週水曜からは長崎で日本形成外科学会が開催されます。イブニングセミナー講演、一般演題発表、そして大学との共同研究発表のお手伝いもあり、準備にあたふた。その上、他の学会の抄録依頼や海外医学誌の依頼原稿など、先週まで韓国など海外に行っていたため放置しており、ギリギリでの対応です。。。。


さて、
今更ですが、当院でのベストセラークリームのお話しです。

EKクリーム

アンチエイジングで通院中の方にはご存じEKクリームです。

このクリームは肌の質感改善や血行・代謝の改善が得られます。元々は目元の血行不良によるクマ治療のために血行促進剤などを配合したアイクリームとして開発し、その後モニターテストの結果、目元以外でも小じわが改善したり、加齢によって減ったまつ毛が増えて伸びるという評価を得たため、最終的にアンチエイジングクリームとして処方することになりました。
コエンザイムQ10が化粧品では許可されない高濃度の1%配合されたり、その他諸々(秘密事項あり)、化粧品で配合ができない成分も含んでいますので、完全な医薬品として、カルテに処方記載をした上でのお渡しとなります。12960円ですが、毎月かなりの数を処方しております。
使って頂ければ効果は実感されると思いますので、是非お試しを。

美容情報のネタは沢山あるのですが、学会等の準備でブログを書く時間がなく、今回は宣伝みたいで申し訳ありません。

第57回日本形成外科学会に参加して

$
0
0

先週の水曜から金曜日は、長崎にて第57回日本形成外科学会総会・学術集会が開催されました。
私も講演、発表があったので、まるまる3日間参加してきました。受診を希望される患者様には大変ご迷惑をおかけしました。
学会場

こういった学会には常に参加し、自分自身の知識を増やしていかなければいけません。また自身が得た経験・知識・アイデアも会員に還元し、業界全体が発展していく一助となるよう、毎年演題発表をしています。

私自身は形成外科の専門医です。つまりこの学会が自らが所属する組織の中で最大規模の会なのです。学会発表にもちょっと力が入ります。

日本形成外科学会は基本診療科(内科や外科、、耳鼻科、眼科など)と言われる18の科の中の一つであり、2017年以降は、この18の領域どこかに属した上で、その上の組織となるsubspeciality(通常、その医師の専門とする領域)の科に属して診療をすることとなりました。subspecialityは、私にとっては日本美容外科学会JSAPSです。特に美容外科学会は二つの同名の学会(英語名:JSAPSとJSAS)があるなど複雑な背景がありましたが、オフィシャルに日本美容外科学会JSAPSが形成外科学会組織へ組み込まれたことによって、美容外科医として専門性を謳えるのは形成外科学会所属の医師のみとなってしまいます。
そのためか、今回は美容外科医のうち、JSAPSに属さないドクターも多数参加し、それに伴い様々な学会外の親睦イベントもあり、美容外科医が形成外科学会のもと、まとまっていくようなそんな印象を受けました。
大学組織に属さない我々開業医は、実際には所属組織を超えて広くつながっていますが、学会という組織別になると、また異なる面もあります。現実に数年後にやってくる国が中心となった専門医制度改革は、美容外科のことを考えて計画されているのではなく、国民の健康のために専門医を主として診療をしていくんだという方針であり、形成外科医も単にその中の専門医の一つで、これを取得しないと美容外科医として認められないという流れが必然的にできあがっただけです。そのもとで、形成外科学会がどれだけの役割を果たしてくれるのか、我が国の美容外科業界を崩壊させないために、我々開業医の集団に何ができるのか、考えなければいけません。

さて、そんな堅い話はさておき、その美容外科・美容皮膚科の開業医のための親睦会が学会期間中に開催されました。学会参加をした中堅・若手開業医の殆どが出席したかもしれません。

開業医2

開業医

普段はなかなか話せない裏話や、様々なことを語り合い、楽しい夜でした。

あっという間に文字数が大量となってしまいました。学会の詳細は次回に。

第57回日本形成外科学会に参加して〜その2〜

$
0
0

前回のブログでは学会報告に進む前に話が終わってしまいました。。。。
抄録

今回、私の仕事は、まずは初日のレーザーセッションで、共同研究者の順天堂大学形成外科 堀口先生の、FMLB(しわ治療のイージスヤグレーザー)の基礎実験と臨床結果についての発表サポートでした。臨床面で何かあればという予定でしたが、素晴らしい発表で、私の出番もなくニコニコ顔のまま発表終了。
そして業者さんと新しい”秘密の”機器の打ち合わせをした後、私自身のお仕事。イブニングセミナーにて、プラズマRF&高圧超音波導入機器レガート(LEGATO2)の理論と臨床についての発表でした。
イブニング2 
イブニング

この機械、本邦で当院が初導入し、1年ほどかけて業者とともに最適な設定を考えてきました。韓国へも行き、使用しているドクターとディスカッションし、ベストマッチな薬剤や出力など、かなり突き詰めて、結果も出せるようになりました。そのデータをまとめて発表させて頂きました。さて日本で流行るでしょうか。
これにて初日は終了。

初日の夜は、長崎にてご開業なさっている奥村千香先生、イブニングセミナーでご一緒した有川公三先生と業者さん主催の会食。美容話で盛り上がりました。
有川先生と

このあと、二次会に参戦。しかし途中で眠くなり、早々に退散となりました。。。。

Viewing all 654 articles
Browse latest View live


<script src="https://jsc.adskeeper.com/r/s/rssing.com.1596347.js" async> </script>