先週は大阪で開催された日本形成外科学会学術集会に参加してきました。全国の形成外科専門医や美容外科医の殆どが参加する年に1回のビッグイベントです。今年は60回、つまり還暦記念ということで華やかな看板が。
この学会、発表する事も一つの目的ですが、専門医の資格を維持するためにも参加が必須です。
普段は美容外科や美容皮膚科領域で仕事をしている私ですが、形成外科というのはもっと幅広い領域です。ガン切除後の再建や小児先天異常など、日常では診療しない分野の知識をアップデートしないと専門医資格は維持できない仕組みになっています。資格を維持するためには講習会に参加して、しっかりお勉強する必要があります。
特に専門医資格のシステムが来年から科を問わず大きく変更されるという国の方針変換もあり、必要な講習会出席数が激増。国の方針がブレて先行き不透明のため、講習会をおこなう学会がまだまだ少ない現状では、必要な出席証明数を確保出来ず、半ば強制的な参加となりました。会場には入れないほど人が溢れていました。
開業医にとって専門医資格を維持することは大変な時代になりましたが、やはり形成外科の知識は美容医療をする上では必須ですので、今後も学会参加は続けたいと思います。
今回の学会でシンポジウムがありましたが、形成外科は基本診療科の一つと規定されています。内科や外科、小児科,皮膚科などと並ぶ医療の基幹となる科です。
ですから、形成外科は外科でもなく、皮膚科でもなく、整形外科でもありません。一つの独立した診療領域としての「形成外科」なのです。
そして内科の中に循環器内科、消化器内科が含まれるのと同様、形成外科の中に美容外科が含まれるよう,学会のお偉い先生方が国に働きかけているところです。全ての科がいずれは基本診療科のどこかに属する事になりそうな現在、美容外科が基本診療科にならない限りは、形成外科の中に属する事になるのでしょう。
そんななか、広告やホームページ、機器薬剤なども厳密に管理され、罰則を伴った規制が始まりそうです。専門医資格の縛りとともに経営的な縛り、実際の診療における縛りまで。。。。
商業的ではなく,安全に広く国民に提供される美容医療を目指す、これに国が大きく関与するのは良いことです。但しそれが諸外国に比較して保守的つまり厳しい規制ばかりだと業界の衰退を招きます。以前医療レーザー機器で規制を厳しくして殆どの国内企業が撤退した過去もあります。
上手く舵取りをして頂きたいものです。