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Channel: 美容外科開業医の独り言
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ピコレーザーの全顔照射

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当院ではピコ秒レーザーPicowayの全顔照射をおこなっている旨、ブログ上でのみ公開しています。まだ新しい治療法であり、データ蓄積中のため、オフィシャルに公開したくないというのがその理由でした。治療費も現在安価に設定しており、その代わりにデータ収集(Antera3Dという機器でメラニンや毛穴などの定量評価)に協力頂いています。

当院のコアな患者様のみが知る治療のはず、、、、でした。

しかしながら、なぜか毎日複数名の治療を実施しています。

 

なぜか。

評判がすこぶる良いのです。私自身の想像以上に患者様の評価が高く驚いています。

 

特に毛穴や肌の張りに関しては、ダウンタイムは赤みのみで、今まで治療してきたノーダウンタイムの治療の何よりも良いと言う患者様が多いのです(もちろん無効であると仰る患者様もいます。当たり前ですが)。シミもあまり目立つかさぶたを作らず薄くなります。

第2世代のピコレーザーPicowayは、従来のピコレーザー治療と比較して短い照射時間(パルス幅)による光音響効果が強く、低いエネルギーでも十分にコラーゲンの再構築効果やコラーゲンバンドの腫脹引き締め効果があるようです(光音響効果は出力よりも圧倒的にパルス幅に依存して強くなります)。特にフラクショナルモードは素晴らしく、ちょっとした工夫を加えることで、光機械作用という物理的に熱を加えないダメージによってダウンタイムの殆どない肌改善効果が得られます。また第3の波長といわれる、メラニンに選択的に強い波長も改良がなされましたので、第1世代のPicoにこの点でも凌駕できる(その効果を網羅できる)可能性があります。

 

この照射方法、データが揃い次第公開し、広く普及して欲しいなと思っています。

ただ、もちろん似たようなことはアジア各国で始まっていて、先月の台湾での国際学会でもこの話で持ちきりでしたし、先週のホーチミンでのフォーラムでもドクターや業者さんに質問攻めに遭いました。

 

一言でいうと、面白い。私の知的好奇心を満たしてくれる治療法です。機器の理論を工学的にどうのこうのというよりも、私はまず臨床・治療のアイデアを生み出す仕事が好きです。医師は技術者ではないので、どんなに理論武装しても勝てませんが、技術者と違って実際に治療、フィードバックを得ることができます。

患者様を実験台にすることは言語道断ですが、理論をきちんと積み上げ、テストを重ね、現在の手法にたどり着いたので、これからもう少し前に進んでいけるかなと思っています。

 

なによりこのPicowayはどんどん改良されており、1年前とは別の機器じゃないの?と思うほどです。入れ墨治療一辺倒から、アジア人向けのシミ治療(薄いシミには最高)、そして顔全体の美容的治療と進化しています。つい先日論文を書いたのですが、その時の内容が古くなるほどの進化です。今後の発展をさらに期待しています。

 

またついつい力が入って、マニアックな内容になりました。。。。

 


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